追究

2016年02月05日

愛知淑徳学園創立110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念行事 ビジネス学部・研究科主催講演会 睡眠研究最前線―ワークライフバランス社会をめざして―

愛知淑徳学園創立110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念行事 ビジネス学部・研究科主催講演会 睡眠研究最前線―ワークライフバランス社会をめざして―

平成27年12月7日(月) 星が丘キャンパス2号館25A教室

仕事の効率化につながる質の高い眠り。講演会で
毎日繰り返される“睡眠”の秘密に迫りました。

 12月7日(月)、ビジネス学部・研究科主催の愛知淑徳学園110周年・愛知淑徳大学開設40周年記念の講演会を星が丘キャンパスで開催しました。登壇したのは、名古屋大学環境医学研究所の山中章弘教授。「睡眠研究最前線」と題し、今なお多くの謎が残る「睡眠」を題材に、そのメカニズムに迫る最前線の研究の成果を伝えました。
 講演に先立ち、ビジネス学部長の真田幸光先生が挨拶。「ビジネスと睡眠は一見関係のないように思うかもしれませんが、ビジネスマンとしてまず大切になることが自身の体調管理。質の高い睡眠をとり、生産性の高い仕事をこなしてこそ、立派な社会人です。今回は睡眠の研究者から話を聞く貴重な機会ですので、ぜひ質の高い睡眠とは何かを学ぶとともに“睡眠をビジネスにするにはどうすればいいか”考えながら山中教授の話を聞いてみてください」と会場に集った学生の皆さんに呼びかけました。
 山中教授はまず、人を洞窟に閉じ込めて睡眠時間を調査する実験を紹介し、睡眠は光によってコントロールされていることを説明。さらに日本人は他国の人とくらべて極端に睡眠時間が短く、睡眠に対する満足度も低いというデータを提示し、日本人の睡眠の現状を伝えました。そのうえで山中教授は「8時間の睡眠が必要な人の睡眠時間が2時間短くなると、酎ハイを2,3杯摂取した後と同じ状況になってしまいます」と、寝ないことで生まれる体への影響を紹介し、最近の研究では睡眠不足の状態だと、アルツハイマーの原因になるタンパク質を増やしてしまうことも示しました。「睡眠により、人は一時的に記憶が途切れてしまします。“気を失う”という言葉を聞くと怖さを感じると思いますが、それとほぼおなじ状況である“睡眠”に対してはそこまで恐怖心を感じていないのです。そんな不思議な睡眠の世界ですが、そのメカニズムはまだわかっていません。そこに研究のおもしろさや、やりがいがあるのです」と語り、研究の余地とその可能性を語り、講演会を締めくくりました。一流のビジネスパーソンをめざす学生たちにとって、より良い睡眠を確保することで質の高いパフォーマンスにつながることを知り、時間の管理や仕事の効率化の重要性を感じるきっかけとなったことでしょう。