追究

2012年11月19日

「リポビタンD」CM企画のグループワーク

「リポビタンD」CM企画のグループワーク
  • CM企画ワークグループなど
  • CMの制作(撮影・編集)
  • 編集の最終打ち合わせ

企業の方々と関わり合いながら、学生たちがCM企画に取り組みました。

メディアプロデュース学部メディア表現コースの学生たちは、現代社会への幅広い知識を基盤に、日々の授業やゼミを通じてのさまざまな表現スキルを身につけています。その力を活かす実践的な学びのひとつとして、11月19日(月)、東海テレビ放送株式会社の取材クルーが撮影するなか、ドリンク剤「リポビタンD」CM企画のグループワークに取り組みました。コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)のコーディネートのもと、広告代理店・株式会社I&S BBDOと大正製薬株式会社の共同企画として実施され、メディア表現コースの学生を中心に13名がこのCM企画の立案とプレゼンテーションをおこないました。

 CM企画のテーマとして、「若者にリポビタンDをいかにPRするか」という課題が与えられました。学生たちは事前に、メディアプロデュース学部の小田茂一先生のサポートのもとで勉強会や意見交換、リポビタンDに対する大学生の意識調査をおこなうなど、準備を重ねてグループワークに臨みました。3チームにわかれてそれぞれが発想力豊かな企画をまとめ上げ、堂々とプレゼンテーションすることができ、企業の方々から「どのチームの案も素晴らしい!」と絶賛されました。学生たちはプロの目線からの講評も聞き、社会に通用する力が養われているという確かな手ごたえを感じながらアドバイスを熱心に書き留めていました。


 グループワークの最後には、審査結果の発表がありました。「若者から共感が得られる」と特に高い評価を得たチームの案を、実際に制作することが決定されました。完成後にはウェブ上で閲覧できる予定です。
学生たちは企業の方々と意見を交わしながらCM企画に取り組みました。今回、採用にいたらなかったグループも、互いを刺激し合い、社会を見据えた企画力や発信力が磨かれ、貴重な学びの場となりました。


当日の流れ

1. 企業の方々からのレクチャー

 グループワークの前に、大正製薬株式会社の方が商品の歴史や特徴、これまでのTVCMのコンセプトなどについて解説し、さらに、株式会社I&S BBDOの方がCMプランニングの基礎に関してミニ講義をおこないました。

2. ブレーンストーミング

 一人ひとりがアイデアを次々と出し、意見を交わしながらCMのコンセプトをもとにキャッチコピー、ストーリー構成など企画案を練っていきました。

3. 絵コンテの作成

 グループごとの話し合いで考えた構成をもとに絵コンテを作成しました。

4. プレゼンテーション

 モニターに絵コンテを映し出し、3チームがそれぞれの企画案を発表しました。CMのストーリーを実演するなど、企業の方々に自分たちの案についてわかりやすく伝えていました。

制作に向けた打ち合わせ

 グループワークに参加した学生たちは、後日、実制作に向けて打ち合わせを重ねました。案が採用となったチームだけではなく、学生たち全員がひとつの制作チームを組み、意欲的に意見を交わしていきました。メディアプロデュース学部の授業で取り組んだ映像制作の経験を活かしながら、撮影スケジュール、撮影方法、映像の色合いや質感、さらには役割分担などについて話し合い、「皆の力や個性が結集した作品をつくろう!」と結束を強めていました。


学生たちのコメント

 授業やゼミでは、自分の疑問に感じたことなどを大切に映像を制作しています。しかし今回は、企業からのテーマにそってリポビタンDのCMを考えることで、実社会に近い企画制作を体験することができました。限られた時間の中で、より柔軟にアイデアを出し、より広い視点でコンセプトやストーリーを考えたことは、これからの授業やゼミ活動、さらに社会に出たときにも役立つ力となるのでは、と感じています。また、チームでひとつの企画に取り組むことの楽しさも実感しました。今後、13人一人ひとりの力を発揮し、撮影や編集などに取り組みたいと意欲を燃やしています。

  • CM企画ワークグループなど
  • CMの制作(撮影・編集)
  • 編集の最終打ち合わせ

撮影のようす

 採択された絵コンテをもとに、12月12日(水)と、12月18日(火)の計2日間、小田先生のご協力のもと撮影を行いました。その後、出来上がったカットをもとにアニメーションの作成や、テロップ・音入れなどの編集作業を経て、作品を完成させました。

参加した学生の感想

メディアプロデュース学部メディア表現コース

 今回の作品で最も重要だったことが1つあります。それは、チーム一人ひとりが自分の長所を最大限に生かせるような雰囲気をつくることでした。全員が同じ方向を向いて作品をつくるということは大変難しい作業であり、常に高い意欲とモチベーションが必要となります。実際、撮影に入るまでなかなか方向性がすぐに決まりませんでした。しかし、何度も話し合いをし、一人ひとりが一瞬も妥協せずに取り組んだことで、メンバー12名が様々な角度からアイデアを持ち寄り、最大限の力を発揮できた作品ができました。ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。

メディアプロデュース学部メディア表現コース

 撮影では、監督が主体となり、出演者、カメラ、カメラアシスタント、音声、AD、小道具など一人ひとりに役割を振り分けました。もちろん使ったことのない機材を担当する人や映像製作自体はじめて経験する人もいましたが、直接機材に触れたり、撮影経験のある人がコツを教えたりしながら、いい作品にしようと皆が一丸となって撮影に挑みました。いざ撮影が始まると、しっかりとカット割りや演出を考えていたにもかかわらず、思い描いていたものとは違う画になってしまうことも多々ありました。その度に皆で『リポビタンD』という商品をよりわかりやすく、インパクトのあるCMにするにはどういった撮影方法を使うのか、意見を出し合いました。経験や学年に関係なく、アイデアを出し合うことで撮影に対する意識やチームの結束力を高めることもできました。小道具やカメラ位置の変更、音声の調節など何度も修正を入れながらの撮影でしたが、メンバーそれぞれが責任を持って自分の役割を全うすることで、全員が思い描いていた映像を撮ることができました。

メディアプロデュース学部メディア表現コース

 私は今回出演者として参加させていただき、普段のカメラを構える側から、撮られる立場の経験をしました。演出上、表情だけで演技をしなければいけない場面があり、そこが1番苦労しました。また、アフレコで声だけの演技というのも苦労しました。たった一言だけでも思った通りに言えず、収録に時間をかけてしまいました。OKが出るまで待っていてくれた仲間には感謝しています。
出演者は私1人だけでしたが、カメラや音声、編集、撮影のために小道具を用意してくれた15人の仲間がいます。また、撮影場所を提供してくださった小田先生や、企業の方々と調整をしてくださったCCCのご協力もあり、この企画は成り立っています。今回のプロジェクトを通して、映像製作の現場では、どの役割もそれぞれ連携し合い、チームで1つのものを作るという感覚が大きいことがわかりました。

メディアプロデュース学部メディア表現コース

 私は今回、監督・カメラ・編集などをやらせていただきました。そのため、思い入れも強く映像を何度も友人や先生に確認していただきました。しかし、直せば直すほど足りない部分が見えてきて、正直不満足に終わる結果でした。この体験を通して、自分の絵コンテによる完成イメージへの想像力、カメラワークの未熟さを実感しました。今後は場数を増やし、綺麗でおもしろいものを撮りたいです。大変貴重な経験ができました。ありがとうございました。

大正製薬株式会社 及川啓氏よりコメント

 細部にまでこだわりながらも、決められた30秒という尺に収めたことはとても素晴らしく、特に前半部分の演出はプロ顔負けのレベルだと感じました。女子大生の日常を等身大で表現したこの様なCMなら、同世代の新規ユーザー獲得を期待出来るでしょう。
素晴らしいCMを制作いただき、ありがとうございました。

メディアプロデュース学部 小田茂一先生よりコメント

 商品のコンセプトを学ぶことから、絵コンテ作り、プレゼンテーション、撮影、アニメ作成、編集へと、本格的なCM作りを体系的に学べたことは、とてもよい経験になったと思います。メンバーそれぞれができる役割を受け持つことで、企画案を大学生らしいCMに完成させることができました。

  • CM企画ワークグループなど
  • CMの制作(撮影・編集)
  • 編集の最終打ち合わせ

広告代理店の方も交え、CM制作の総仕上げとなる話し合いをおこないました。

新年を迎え、「リポビタンD」CM制作も大詰めを迎えました。1月17日(木)には、編集に関する最終打ち合わせがおこなわれ、メディアプロデュース学部 メディア表現コースの学生たちだけでなく、コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)のコーディネートのもと、広告代理店・株式会社I&S BBDOの方が応援に駆けつけてくださいました。このグループワークをサポートしているメディアプロデュース学部の小田茂一先生も参加し、編集についてはもちろん、今後、完成したCMをどのようにして多くの人に見てもらうかといったことに関しても活発に意見が交わされました。

 最初におこなわれた編集に関する打ち合わせでは、現時点のCMを上映し、学生同士で改善点を次々と指摘し合い、その場で手早く修正作業をしてブラッシュアップしていきました。I&S BBDOの方からは「すごい!というのが率直な感想です。とても完成度が高く、メディア表現コースの学生のみなさんの技術力の高さを感じました」と評価をいただき、学生たちは映像表現の知識・技術が着実に培われていることを実感し、確かな自信を感じるとともに、さらに向上したいという思いを強めていました。


 また完成したCMの展開については、学生たちの学修の一環として制作したものであることを念頭に置いて話し合いが進みました。「新入生研修合宿で上映し、新一年生に向けてメディア表現コースの学びの魅力も伝えよう」「オープンキャンパスで高校生や保護者の方にも観てもらいたい」「このCMを活用して卒業研究に取り組んでもおもしろそう」こうしたさまざまな意見が飛び出し、新たな学修や取り組みへの発展を感じさせる打ち合わせとなりました。
CMの企画や制作だけでなく、CMをどう活用していくのかまで考えを深めていくのは、「メディアプロデュース」の学びそのもの。今回の打ち合わせは、学生たちにとって、より広い視野でメディアを追究していくきっかけになったことでしょう。


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