追究

2013年02月21日

交流文化学部・ビジネス学部 「星が丘モデルプロジェクトⅠ」

交流文化学部・ビジネス学部 星が丘モデルプロジェクトⅠ
  • 企業訪問
  • ビジネスマナー講座

プロジェクトで協働する企業のご協力のもと、学生たちは「働くこと」への考えも深めていました。

学生たちの幅広い興味や知的好奇心、向学心に応えるために、愛知淑徳大学は所属する学部・学科以外の専門分野も学ぶことができる制度や支援体制を整えています。そのひとつである「星が丘キャンパスモデル」は星が丘キャンパスを拠点とする交流文化学部とビジネス学部の独自の教育システム。2012年度からは、地元企業4社と協働でおこなう「星が丘モデルプロジェクト」に両学部の2年生24名が2012年9月のキックオフ・ミーティングを皮切りに意欲的に参加しています。
春休み期間には「星が丘モデルプロジェクトⅠ」という集中授業が開講され、学生たちは5~7名の4グループに分かれて、プロジェクトを本格的にスタートさせるための事前学習や準備などに取り組みました。今回のプロジェクトの全体的な目標は「企業の経営戦略やビジョンの提案」です。そのため、学生たちが事業内容や経営理念などについて深く理解することができるよう、各社ご協力のもと企業訪問をおこないました。学生たちは訪れた企業で社員の方々と自ら作成した名刺を交換するなど、ビジネスパーソンとしての立ち居振る舞いも体験的に学んでいました。

 2月20日(水)には、株式会社サンテックとの協働にチャレンジする学生たちが、スーツを身にまとい企業訪問に臨みました。このグループに出された課題は「サンテックのさらなる発展のために、今おこなうべき『社内活性化』の考案」です。愛知県愛西市に本社を構えるサンテックは、「ソフトウェア開発のイノベータ(革新者)をめざす」という理念を掲げ、工作機械や自動販売機、自動車などの制御ソフトなど工業系ソフトウェアの開発を中心に新たな事業に挑み続けています。そうした専門的な業務内容もわかりやすく説明してくださったのは、本学の卒業生である社員の方でした。「在学中は児童文学研究会を立ち上げて仲間と共に絵本の創作活動などに励み、思いを形にする仕事に就きたいと考えるようになりました。サンテックに入社してソフトウェア開発に力を注ぎ、人のニーズに応えていくシステムエンジニアの仕事にやりがいを感じています」と誇りをもって語る先輩に、学生たちは憧れの気持ちを抱くとともに、社員がいきいきと働くサンテックの明るく力強い社風を感じ取っていました。

 さらに、青木義彦社長にもお話を伺うことができ、学生たちは積極的に質問をしていました。ある学生は「社内活性化のために、新入社員に期待していることは何でしょうか?」と質問。青木社長は「若い皆さんの"ヤル気"に期待し、新卒採用を増やしています。組織として結束した強い企業をめざしていますから、まだ自分のやりたいことが明確ではなくても"仕事で人の役に立ちたい!"という熱意のある人と一緒に働きたいと考えています」と答え、"人"を大切にした企業経営への意欲を語ってくださいました。「共に働く者同士が自分の考えや思いを伝え合い、互いに理解し合いながら、よりよい仕事ができることが、"働きやすい会社"だと思いますよ」学生たちはプロジェクトで形にしていく「社内活性化プラン」のキーワードともいえるお言葉を次々と書き留め、アイデアを広げていました。
今後、学生たちは3年次から始まるサブゼミで企業研究をさらに深め、社員の方々へのインタビューやアンケート調査などもおこないながらプロジェクトを進めていきます。企業訪問で各社に対する理解を深めただけでなく、「将来、どう働きたいのか」という自分自身のビジョンをより具体的に考え、星が丘モデルプロジェクトはもちろん日々の学修に対する意欲も向上させたことでしょう。

  • 企業訪問
  • ビジネスマナー講座

実社会の第一線で活躍する方を講師にお迎えし、
ビジネスパーソンとしての「コミュニケーション」を学びました。

「星が丘モデルプロジェクトⅠ」の一環として、「企業診断とビジネスマナー」と題したビジネスマナー講座が開催されました。この特別講座の目的は、今後、学生たちが星が丘モデルプロジェクトを進めるにあたり、企業との経営戦略の立案やコミュニケーションなどに関する知識をしっかりと身につけ、実践できるようにすることです。経営コンサルティングなどの分野でご活躍の名古屋ワークスマネジメントオフィス代表・荻須清司氏を講師にお迎えし、自己紹介や挨拶などの実践を交えたわかりやすい講義をおこなっていただきました。

 荻須氏は、中小企業診断士、特定社会保険労務士、行政書士の資格を持ち、数多くの企業経営者をサポートしています。学生たちが経営者や社員の方々と円滑なコミュニケーションを図ることができるように、企業の経営や財務、生産の現状などを分析するための「企業診断」の手法、ビジネスマナー、企業の方へのヒアリングのポイントなどを順に解説してくださいました。はじめに2、3名ずつに分かれ、「自分の名前の由来」を1分間で伝え合うペアワークをおこないました。学生たちは聴き手の態度によって話し手の話しやすさが変わることを体感。荻須氏の講義も真剣なまなざしで「聴き」ながら、「傾聴」の重要性を再確認していました。

 荻須氏が企業の方々へのヒアリングのポイントとして大切だと語ったのは、相手への感謝の気持ちを常に忘れず、相手と同じ目線で真摯にお話を聴く姿勢。「まずは協働する企業を好きになりましょう。いいところを発見し、伸ばしていくための提案をしよう!という気持ちで相手と信頼関係を築くことが、皆さんが取り組む星が丘モデルプロジェクトにおいて最も大切なことだと思います」と語り、企業の方々との関係づくりに役立つ「かかわり技法」「積極技法」など具体的なコミュニケーション法も説明してくださいました。
挨拶とお辞儀を丁寧におこなう分離礼、ヒアリング時の腕やひじの置き方、企業訪問時のカバンの取り扱い方、名刺交換での礼儀、身だしなみなど、ビジネマナーの基本からしっかりと学ぶ機会となった、今回のビジネスマナー講座。学生たちは企業の方々とかかわりを深めていくための力を培うとともに、ビジネスパーソンへとたくましく成長していく礎も築いていました。