躍動

2022年08月22日

ビジネス学部「第14回データビジネス創造コンテスト審査員特別賞受賞」

vol.91

ビジネス学部 ビジネス学科 藤木ゼミ2年(2021年度) 塚本 恋奈さん 野口 桃加さん 菊間 遥佳さん(左から)

全国約30チームが参加したコンテストで、
「ビジネスアイデアとして価値がある」と評価を受けました。

 ビジネス学部ビジネス学科の藤木ゼミは、データ分析を活用した市場の動向予測やマーケティングなど、ビジネスや公共政策の場においてデータサイエンスを活用する手法について研究しています。この藤木ゼミで学ぶ学生が、「第14回データビジネス創造コンテスト」に応募し、審査員特別賞を受賞しました。受賞したのは、藤木ゼミ2年生の塚本さん、菊間さん、野口桃加さんの3名。それぞれの頭文字から名づけた「チームつきの」として出場し、全国の大学・ゼミなどで編成された約30チームの中から選ばれました。
 データビジネス創造コンテストは、学生がデータを広く深く活用して新たな知の抽出や価値の創出を競うもので、第14回のテーマは『コンテンツデータを活用した新たなライフスタイルのカタチ』。「多種多様なコンテンツデータの分析を通じ、現代の人々が何に心惹かれ、何を欲しているのかを読み解き、誰も想像したこともない日本発の新たなライフスタイルを提案する」という課題に対して、「チームつきの」は約1ヶ月半かけて挑戦しました。

ビジネス学部「第14回データビジネス創造コンテスト審査員特別賞受賞」

ビジネス学部「第14回データビジネス創造コンテスト審査員特別賞受賞」

ビッグデータから何を抽出し、どう分析して、何を提案するのか。

 「チームつきの」が最初に取り組んだのは、主催者から提供される何種類かのビッグデータの中からテーマをしぼりこみ、分析することでした。「三人とも好きだったから」という理由で選んだビッグデータは、マンガアプリの利用者データ。その分析結果をもとに「他ビジネスに繋がるコンテンツの利用方法」「人を惹きつける新しいコンテンツの届け方」「新しいコンテンツ視聴のカタチ」などを検討し、提案内容を考え、プレゼンテーション資料を作成していきました。
 データ分析を担当した菊間さんは、「授業でデータ分析の手法は学んでいましたが、今回のデータは1万3000件と膨大で、しかも指標が多様だったため、どれを抽出したら良いのかとても悩みました」と振り返ります。そうしたなかで着目したのが、「どのようなマンガが読まれているか」というデータ。一人の人が読むマンガのジャンルには偏りがあることに気がつき、より幅広いジャンルのマンガに出会う機会を提供できれば、売上向上につながるのでは?という糸口を見つけました。そこで、提案内容を「マンガアプリにおいて、読者の好みにあった作品だけでなく、興味のないジャンルの作品もおすすめすることで、1人あたりの購入冊数を増やす」に決定し、菊間さんと野口さんが主にデータ分析を、塚本さんはプレゼンテーションで使用する企画書(パワーポイント)の作成を担当。データから読者の好みや心理を読み解き、数値的な根拠をもとに、提案をまとめていきました。

ビジネス学部「第14回データビジネス創造コンテスト審査員特別賞受賞」

ビジネス学部「第14回データビジネス創造コンテスト審査員特別賞受賞」

自分たちの興味や疑問が、ビジネスにおいてもアイデアの源になると実感。

 大学の試験期間と重なり、コンテストにかける時間は多くとれなかったものの、「細かく行程を分けて、宿題のように期限を決め、全員がそれぞれの役割を果たしていきました」と3人で分担しながら効率よく作業を進めていきました。さらにデータ共有サービスを活用して互いに進捗を確認し、藤木先生にもデータを共有していただき、随時アドバイスをもらいながら完成を目指しました。
 最終的に、「チームつきの」の企画は書類選考を通過し、本選ではオンライン上でプレゼンテーションをおこないました。マンガのジャンルを細分化し、きめ細かく作品を提案する内容が評価され、見事に審査員特別賞を受賞。プレゼンテーション後の講評では、ある企業の方から「私たちが考えて進めようとしているアイデアと似ていて驚きました」と高い評価をいただきました。
 出場した3名は「ここまで大量のデータに触れることができたのは大きな経験。大量のデータから何を抽出するか、ということが大切だと気づきました」(菊間さん)、「プレゼンテーション資料の作り方ひとつで相手への伝わり方が変わることを実感しました」(塚本さん)、「自分が欲しいと思うものを企画しましたが、それが企業の方から評価されて自信になりました」(野口さん)と、コンテストを終えた達成感について語ってくれました。大学2年次で学ぶ範囲を超えたデータ量の分析、エクセルやパワーポイントを駆使した資料作成など、今回の挑戦で得た貴重な経験が、これからの学びに活かされることを期待しています。