躍動

2024年12月05日

第1回大阪学生メディカルラリーで救命救急学専攻の学生2名が出場。18チームが出場した中、見事優勝を果たしました。

vol.108

健康医療科学部スポーツ・健康医科学科 救急救命学専攻3年 坂梨史和さん、長瀬天音さん(左から)

メディカルラリーでは他の医療職種との連携も学びに。

 2024年9月21日(土)、大阪府にある大和大学で「第1回 大阪学生メディカルラリー」が開催されました。メディカルラリーとは、医師や看護師、救急救命士によるチームで救急救命の技を競う大会です。多重衝突事故現場やトンネル滑落事故現場など実際の現場を再現したいくつかのシナリオステーションを回り、さまざまな評価ポイントによって採点され、総合得点で順位を競います。

 本学からは健康医療科学部スポーツ・健康医科学科 救急救命学専攻3年生の坂梨史和さん、同専攻3年生の長瀬天音さんが出場。坂梨さんと長瀬さんは初対面となる他大学の医学部生2人、看護学生3人との7人チームで参加することに。大会には全部で18チームが参加した中、見事優勝を果たしました。

 今大会では6つのシナリオステーションがあり、たとえば1つめのシナリオステーションでは「山岳救助」がテーマ。傷病者が実は2人いたという設定で現場対応をおこないました。シナリオステーションによって医師の配点が高いステーション、看護師の配点が高いステーション、救急救命士の配点が高いステーションなど配点が異なり、チーム内で即座にコミュニケーションをとりながら連携することが大切。大会に出場するのは坂梨さんも長瀬さんも初めて。緊張もあったそうですが、大会前にはチームメイトと食事を共にする時間があり、チームワークを深めたそうです。「大会前に話をして、互いに理解を深めたのが優勝につながったのかなと思います」と長瀬さん。坂梨さんも「救命救急でチームワークは大切。声を出し合って情報共有をして、全員が1つの方向に向かって活動できたのがよかった」と振り返ります。

 大会に向けて坂梨さんと長瀬さんは、同専攻の3~4年生の学生7人で毎週金曜日の授業後に自主練習をし、さまざまな症例に対して適切な処置がおこなえるよう訓練を積み重ねてきました。今大会を通して「喜びはもちろんですけど、これまでやってきたことに自信が持てました」と長瀬さん。また、坂梨さんは「救命救急士以外の職種について、これまで詳しい仕事内容を把握していなかったけれど、この大会で分担して活動する中で他の医療職種を知ることができ、コミュニケーションや連携について学ぶことができた」と手応えを話しました。

小牧市の消防本部でインターンシップに参加。

 坂梨さんは小学生の頃に学校で大怪我をして救急車で運ばれた経験から救命救急士に憧れを抱くようになり、現在は消防の特別救助隊をめざして学びを深めています。9月に地元である小牧市の消防本部でインターンシップに参加したことが、中日新聞の記事で取り上げられました。
 「小学生の頃に救急車で運ばれた出来事では、救助隊員さんのケガの処置だけでなく、自分やパニックに陥ってしまった母の精神的なケアにも感銘を受けました」と将来の夢を抱くきっかけについて坂梨さんは話します。患者の家族にも親身になれる救助隊員になりたい......その思いは、小学生の頃から今まで変わることはなく、ますます高まるばかり。大学に通う傍ら小牧市の消防団にも所属し、地域の活動にも積極的に参加しています。

 今回のインターンシップは3日間あり、1日目は小牧市役所で市の概要について学び、2日目は広報広聴課を見学し、3日目は消防本部で活動訓練を体験。消防本部では消防士が緊急出動していく姿を目の当たりにし、改めて自分もその仕事に就きたいという気持ちを強くしたようです。