躍動
2025年09月25日
第12回POLUS -ポラス-学生・建築デザインコンペティションでUJ賞を受賞しました。

vol.113

本学の学生2人が、他大学の学生と協働して設計した作品でUJ賞を受賞しました。
本学の創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻*3年の北住穂果さん、河野陽奈さんが共同設計で制作した作品が、第12回POLUS -ポラス-学生・建築デザインコンペティション でUJ賞(Under Junior award)を受賞しました。「"t軸"の家/家々」という課題に対して、北住さんと河野さんは「けんどん日和」という作品を制作。「"t軸"の家/家々」とは、サステナブルな未来に向かって、喜びを持って向き合える家やその集合のあり方を指します。空間という思考の枠組みを超えて、「t軸(時間軸)」までを取り込んだ姿でデザインすることが課題でした。「けんどん日和」は、バリエーションのある戸を上下の溝にはめ込み、自由な間取りを実現する「けんどん」によって、間取りを住みながら変えていけるのが持続可能性なのではと考え、設計した作品です。北住さん、河野さんの2人に、受賞した感想を伺いました。
今の日本の住宅は、地震が多いこともあり災害に強すぎるがゆえに、建物の柔軟さが失われ、住み方に寄り添う形にならないのではないかと感じ、家の模様替えをするように間取りを自由に変えられる家を提案しました。けんどんを抜き差しして部屋の大きさを変えたり、空間を切り分けたり、家族だけじゃなく多様な年齢・性別・ライフスタイルを持つ人たちがともに暮らせる集合住宅を目指しました。けんどんの種類も、ルーバー式や、ボルダリングができるものなど、暮らしにバリエーションが生まれる多彩な用途のけんどんを考えました。私たちと、他大学に通う私の高校の同級生2人の計4人がチームになって設計したのですが、作品のコンセプトは4人で話し合いを進める中で決定していきました。最初のコンセプトが決まるまでは、それぞれの考える持続可能性も違っていて、すり合わせが大変だった思い出があります。最終的に、世の中の目線で持続可能性を考えたときに、何かを我慢して持続させなくてはいけない禁欲的なもののように感じている人が多いのではないか?もっと楽しくアプローチできるといいのではないかという想いが一致して、コンセプトが決定しました。今回の取り組みで自分が特に楽しかったのも、コンセプト作りです。考えることはもちろんですが、コンペで自分の言葉で伝えた際、実際に相手に伝わったと感じられて、受賞にもつながったので嬉しかったです。
課題のテーマである「t軸」、つまり"時間における持続可能性"について考えるのも簡単ではありませんでした。私たちがたどり着いた結論は、柔軟性のない住空間では、たとえストレスを感じてもすぐに環境を変えることができず、その不快な時間に長く耐え続けなければならない、という点に問題があるということです。空間を柔軟に変化させることができれば、その"耐える時間"を短縮できるのではないかと考え、そういった住まいこそが、「t軸」、すなわち時間の持続可能性に配慮した家だと私たちは捉えて作品に落とし込みました。私は今回、北住さんに誘ってもらい、チームに参加させていただいたのですが、違うゼミ・他大学の人が集まってこうしたコンペに参加するという例はあまりないので、とても刺激になりました。自分にない知識を持っているメンバーと設計ができたことで「知識をつけたい」というモチベーションも上がり、参加して本当に良かったと思っています。
第12回POLUS -ポラス- 学生・建築デザインコンペティション
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