躍動

2016年04月08日

千種区第3次地域福祉活動計画のアンケート調査に協力。 直接関わり合うことの大切さや行動することの尊さを学びました。

vol.44

福祉貢献学部 3年

高齢者が住み慣れた地域で暮らすために、必要なものは何か。
アンケート調査から探りました。

 私たちが所属している福祉貢献学部 黒川ゼミでは、高齢者福祉、地域福祉について学びを深めています。高齢化が進む現代、住み慣れた地域でいつまでも暮らすためにはどうしたらよいのか、自分たちに何ができるのか。地域ケアという観点から、行政の制度やサービス、さらには学区や自治体などの地域での支え合いにも注目し、現代社会の抱える高齢者福祉の問題解決に向けて日々追求しています。


 名古屋市千種区では“つながる・ひろがる・かよいあう~誰もが安心して生活できる千種区のために~”を基本理念に、「第3次地域福祉活動計画」が平成26年度に策定されました。その一環として、高齢者の生活実態を知るため千種区役所・保健所、地域包括支援センターとの合同アンケート調査が行われています。この調査をとりまとめている千種区社会福祉協議会から、アンケート調査の協力依頼をいただき、高齢者独居や高齢者世帯の生活を追究しようと考える7人が手を挙げ、今回の訪問調査協力が実現しました。2月8日(月)と10日(水)の二日間をかけて訪問したのは、380世帯をもつ「サンマンション千種公園」に住む独居の高齢者や高齢者世帯の80世帯。私たちは、行政や社会福祉協議会の職員の方たちと二人一組になり、普段の生活や、困りごとなどを聞き取り調査しました。高齢者の方々と直接会話をすることで、信頼関係が生まれ、質問項目以外でも日々の暮らしの中で直面している現実的な生活や悩みをうかがい知ることができました。そして90%という高い回収率をおさめられたことも、大きな自信につながりました。
 このアンケート調査に参加して、高齢者の生の声を聞き、福祉分野の専門職が果たすべき責任の重さを改めて感じました。座学では学ぶことができない、高齢者支援の最前線で活躍できたことは、社会福祉士をめざす私たちとしても、大きな財産となりました。

いただいた感謝状と高齢者からの温かい拍手が大きな自信に。
これからの卒業研究や学修につなげていきます。


 このアンケート調査の実績が評価され、「サンマンション千種公園」で月1回実施する「さんさんサロン」内で感謝状をいただくことになりました。「さんさんサロン」とは、「地域で趣味活動や健康づくり活動等を仲間と一緒に行うことで、よりいっそう豊かな人生が過ごせることを目的」とした自治体が主催する高齢者の集いの場です。3月7日(月)におこなわれた感謝状進呈式では、高見学区の水野勇夫推進委員長より「一軒一軒、高齢者のお宅を訪問することで、表面的な調査ではわからない高齢者の生の声を聞き出していただき、有益な情報を得ることができました。さらにこの経験を、これからの学修活動にぜひ役立ててほしい」との言葉と、感謝状をいただきました。サロンに参加している方々から温かい拍手までいただき、とても光栄なことだと身の引き締まる思いでした。これからも皆さんからいただいた拍手の温かさを忘れず、今回の調査のように、社会の中で実際におこっている出来事に対して、自分の目で見て、耳で聞き、頭で考えるということを大切にしていきます。そして、自分たちが抱く高齢社会の問題意識に対し、真摯に向き合っていきたいと思います。

学生のコメント

半崎 彩香さん

充実した毎日を送っている方々は、皆さんとてもポジティブで、さまざまなことに挑戦されていました。高齢者にとって、サロンを始め、他人と少しでもお話ができる場はとても大切。私たちのような学生が、そのきっかけづくりに貢献できればと新たな目標を見つけました。

齋藤 里佳さん

一緒に回った民生委員の方に、アンケートの進行などをフォローしていただきながら、無事に訪問することができました。多くの方の悩みや本音など、踏み込んだ内容となりました。今後の地域福祉を充実させるためのヒントが得られる有意義な調査結果になるだろうと今から楽しみです。

篠田 有沙さん

一人暮らしの高齢者の方が住みやすい地域づくりについて以前から興味があり、地域福祉をテーマに卒業論文を書きたいと考えています。今回幸運なことに、高齢者の方の生の声を聞くことができ、「つながり」というキーワードを軸にして研究を深めたいと思いました。

岩田 紗矢香さん

高齢者の方と直接会うことで、アンケートだけでは分からない本当のニーズや、本音を聞き出すことができたと思います。今回の経験で、地元のことについても知りたいという気持ちが芽生えました。地元の地域福祉で必要とされていることについて調べ、どうしていくべきか調査していきたいです。

柳澤 千鶴さん

個人情報を聞き出すということなので、とても緊張しました。けれど、みなさん本当に優しく接してくださり、「生の声」の重要性や「人の温かさ」を感じることができました。今回は千種区でしたが、今後は自分の住む街の問題についても目を向けて、学びを深めていきたいと思います。

村瀬 加奈江さん

アンケート対象者の方は、たくさんお話ししてくださる方もいれば、言葉少ない方もいました。また、自分の話しかけ方ひとつで相手の対応がかわってくるということも感じました。それを踏まえて、言葉選びと相手の目を見てお話しするということを心掛けて調査に臨みました。

竹内 晴香さん

サンマンション千種公園では、夏祭りや体育祭など、住民同士が交流できる場を設けています。その活動の成果なのか、みなさん、ご近所づきあいも活発で、いきいきと生活されていました。「つながる場」の重要性を感じ、自分もそのような場に数多く参加し、実態調査していきたいです。