成長

2013年03月20日

システム開発を通じて、社会に貢献していきたい。

vol.04

文学部 図書館情報学科 OB

コンピュータをもっと深く学びたい

私がコンピュータと出会ったのは高校時代。コンピュータ部に入部したことがきっかけです。部活動を続けるうちに「もっとコンピュータについて学びたい」という思いが強くなり、専門的に学べる大学へ進みたいと考えるようになりました。ところが、私が通っていたのは文系の高校。コンピュータやシステム情報について学べる学部・学科はほとんどが理系です。そこで、文系でありながらも、そういった分野を専門的に学べる学部・学科はないだろうかと探し始め、愛知淑徳の図書館情報学科を見つけました。
在学中に学んだことは測り知れませんが、一番の糧になっているのは「情報」について多角的に見る目を養えたことでしょうか。「情報」と聞くと、コンピュータなどを思い浮かべる方が多いかと思いますが、それはInformationTechnology、いわゆる情報技術のことで、「情報」を大きく捉えて見ればごく一部にすぎません。図書館情報学科は情報を扱う学科。4年間で本当の意味のInformation、「情報」について幅広く学び、情報のあり方や伝達法についてずいぶんと深く考えることができました。

在学中は西荒井先生のゼミに所属していました。西荒井先生は学生がやりたいと思ったことをとても重視してくれる方で、卒業研究のテーマを決定するまでにはずいぶんと悩みましたね。使用していたソフトウェアを途中でバージョンアップしたところ、互換性がなくなり、データをほとんど作り直さなければならないなどのハプニングもありました(苦笑)。それでも最後までやりぬくことができたのは、西荒井先生のもと、自らが考え、主体的に打ち込むことができたからだと思っています。
資格取得にも励みました。司書や学芸員にはじまり、ワープロ検定・ファイリングデザイナーなど、変わりダネとしてはなぎなた二段も持っています(笑)。司書の資格を取得するには図書館実習が必要になりますが、カウンター業務などで利用者の方と接するときにとても緊張したのを覚えています。ワープロ検定を受ける前は、一生懸命にブラインドタッチを練習しましたね。卒業後も、基本情報処理試験など仕事に関連する資格は取得するようにしています。

なぎなた部で得た洞察力と集中力

在学中の思い出といえば、なぎなた部での活動です。2年間部長を務めたこともあり、とても充実し、楽しい4年間でした。もともとなぎなたは女性の競技のため、男性の競技人口がとても少ないスポーツ。ですから、恩師の与語先生に「男にしてはなぎなたらしい動きをしているね」と褒めていただいたときはとてもうれしかったですね。東海大会3位という結果を残すことができたのもいい思い出です。

仕事を始めてから気がついたのは、なぎなたから得たものが自分で思っていた以上に多かったこと。ひとつは洞察力です。まわりのちょっとした変化を素早く拾えるというのは、今の自分にとっての武器でもあります。もうひとつは集中力。なぎなたはたった3分で勝負を決めなければならない競技ですから、とても集中力が養われるんですね。ですから、ここぞ!というときの集中力には自信がありますよ(笑)。

今思えば、部活動と勉強ばかりしていた4年間でした。在学中にもっと遊んでおけばよかったと思ったりもしますが(笑)、その分学んだことも数多くあります。今一番実感しているのは、『その場で主たれ』という長谷川先生からいただいた言葉。どんな場所であっても、役立つ人、有益な人であれ、という意味ですね。いつも励みになる言葉です。西荒井先生からいただいた『先手必勝』というお言葉も印象に残っています。素早く、先に動いた方が有利であるというその言葉の意味を、特に職場で何度も実感しています。

お客さまと技術者をつなぐ、SEという仕事

文系の大学を出てプログラマー?と、意外に思われる方も多いかもしれませんが、実は珍しくないんですよ。この業界のいいところは、プログラムのことさえわかれば文理を問わないところ。専門の違いも同様で、まわりには建築学科や法学部出身の方もいます。
私は現在、プログラマーとして証券会社の株や債券に関連するシステム開発に携わっています。プログラマーは四十六時中パソコンに向かってひたすらプログラミング言語を組み立てていると思われがちですが、実際はそうではありません。プログラムというのは形のない商品です。目に見えないものを提供しているわけですから、お客さまとの話し合いが大変重要になってくるのですね。加えてSE(システムエンジニア)は、ビジネス知識や問題解決能力などを求められたり、チームのスケジュール調整を行ったりもします。プログラマーとの間に明確な境界線があるわけではないのですが、SEとはいわばシステム構築のプロジェクトマネジメントを行うポジション。私はお客さまと技術者をつなぐSEという仕事にとても魅力を感じていて、将来的にはSEになりたいと考えています。

 世の中は常に便利さや多機能を求めています。それにともなって、この業界は毎日が新しいことの連続です。最近注目を集めている"ユビキタス"は、利用者が意識しないままに、いつでもどこからでも情報通信技術を活用できる環境のことを指します。技術者としては大変興味がありますし、最新の現場に携わってもみたい。でもその一方で、私には"システムをあまり便利にしたくない"という思いもあるんです。便利すぎる世の中は人間の機能を退化させてしまうのではないか、と心配になったりもするんですね。
今後は、本当に求められる便利さとは何かを考えながら、人とシステムのインターフェースづくりに取り組んでいきたい。そして、ありきたりではありますが、システムを通じて社会や利用者に貢献したい......そんな思いを持ち続けていきたいですね。