成長

2014年09月08日

あきらめずに拓いた司書の道。学び続け、人と本との出会いをつなぐ。

vol.34

文学部 図書館情報学科

幅広く学び、自分自身と向き合って、妥協しない進路選択を。

 司書になりたくて、入学した人間情報学部。どの授業を履修しようか迷うほど多彩な学問領域が広がり、図書館情報学以外に認知心理学なども興味を持って学びました。4年次に打ち込んだのは、「紙の劣化原因」をテーマにした卒業研究。電子書籍と紙の書籍のメリットとデメリットをそれぞれ検討しながら、紙の劣化原因にどう対処すれば長く本を残していけるのか、実験や文献調査などにより明らかにしていきました。必要な情報を収集、分析、考察し、その結果をわかりやすく伝えるという研究のプロセスを通して、課題発見・解決力や分析力、発信力などが鍛えられたと感じています。

 在学中の4年間、学生生活も充実していました。1年次から学業と両立し、弓道部で活動。学部をこえた仲間と関わり合い、学修や進路などの話もして考えの幅を広げました。またハウジングセンターのアルバイトにも励み、小さなお子様連れのご家族と交流してコミュニケーション能力や行動力などを磨きました。こうした経験から視野が広がり、就職活動では司書に限らず、出版やサービス業などを志望。選択肢を狭めるのではなく、さまざまな可能性に挑戦したいと考えました。友人たちやゼミの先生に支えられながら取り組んだ、長い就職活動。本当に就きたい仕事を妥協せず考え、行動し続けた結果、長久手市中央図書館への就職を決めました。徹底的に自分自身と向き合ったからこそ、道を拓くことができたのだと思います。

司書の使命を果たし、子どもの読書を推進したい。

 司書として働いて1年目、現在はカウンター業務をメインでおこなっています。人間情報学部のレファレンスに関する授業で実践的に学んだことを活かし、利用者の方が探していた本をご案内できたとき、この上ない喜びを感じます。今後、蔵書を一日でも早く一冊でも多く覚え、利用者の方々のお問い合せに的確に応えられるよう知識と経験を積み重ねていきます。

 また、長久手市中央図書館では子どもの読書を推進しています。在学中、子どもの読書について学んだ際、「子どもたちが、本が身近なものと感じる環境づくり」の大切さを考えていました。そこで今、子どもが育つ上で読書がいかに重要か、保護者の方々にお伝えしながら、子どもたちが読みやすい、興味を持ちやすい本をおすすめしています。こうした活動をさらに広げていけるよう、自ら学び続ける姿勢を忘れず、多くの子どもたちと素晴らしい本との出会いをつなぐ、司書の使命を果たしたいと考えています。