追究
2025年01月14日
人間情報学部 感性工学専攻「デジタルファブリケーションルーム」

2024年11月20日(水)長久手キャンパス11号棟2階
人に寄り添ったデザイン的発想をカタチにする、
「デジタルファブリケーションルーム」での授業。
本校の人間情報学部は、情報技術やAI技術、心の理解について学ぶための専門施設・設備が充実しています。その一つが、昨年春に稼働を始めた感性工学専攻のデジタルファブリケーションルームです。この教室には、3DプリンターやUVプリンター、レーザー加工機などが揃い、学生たちは感性工学の専門知識や技術を活かして、アイデアの試作品をつくることができます。
デジタルファブリケーションルームの目玉は、マルチジェット3Dプリンター。光(UV)を当てることで固体になる液状のプラスチック樹脂を一層ずつ敷き詰め硬化させることで立体物を生成します。生成後は、オーブンでサポート材を溶かし、洗浄の工程を経て、高精度で強度の高い立体物をつくることができます。他にも、熱溶解積層方式の3Dプリンター、プラスチックや皮革などさまざまな素材に印刷可能なUVプリンター、シール状の塩化ビニール紙にメタリックカラー印刷ができる溶剤プリンター、CO2レーザーで切断と彫刻ができるレーザー加工機、高性能なデジタルミシン、衣類に直接インクを吐出して印刷できるガーメントプリンターなどが並んでいます。
撮影日に行われていたのは、感性プロトタイピング演習(※2025年度から、2024年度:デジタルファブリケーション演習)の授業。はじめに、グループごとに髙原先生からプリンターやレーザーカッターなど機器の使い方の説明を受けます。学生は説明を聞きながら実際に機器を操作し、キーホルダーや文具などの試作品を制作しました。
説明を聞いた後は、グループごとに課題提出のためのデザイン制作を進めていきます。まずは演習室のパソコンで、カラーユニバーサルデザインの視点を取り入れたカレンダーや立体造形のデザインをします。デザインが出来上がったら、デジタルファブリケーション機器を操作してプロトタイプを出力。出力したものは、色弱模擬フィルタのかかったルーペやメガネを通して、誰もが視認しやすい色使いになっているかを確認します。はじめて色弱模擬フィルタを使った学生は、「色の見分けにくさを体験し、カレンダーの数字や曜日を誰がみても分かりやすいようにデザインすることの重要性をあらためて実感できました」と話します。
デジタルファブリケーションルームを備えたことで、学生たちは最新の機材・設備を駆使してさまざまなモノづくりにチャレンジできるようになりました。そして、完成したデザインが人にどのような考え方や感じ方をもたらすのかを探求し、感性を数値化する論理的思考や科学的手法を身につけていきます。これらの学びにより、人にやさしく持続可能な社会の実現に貢献できる力が養われていくことでしょう。