愛知淑徳大学 受験生サイト

学びのコラム

健康医療科学部

救急救命士になるには?仕事内容・進学ルート・国家試験を解説

将来は医療の最前線で活躍したいと考え、救急救命士になるにはどのようなルートを進むべきか悩んでいませんか。

この記事では、救急救命士の具体的な仕事内容や資格取得に向けた現実的な学習ルートをわかりやすく整理して解説します。

この記事でわかること
  • 救急救命士の仕事内容と消防士との違い
  • 救急救命士になるためのルート
  • 国家試験と消防官採用試験の難易度

救急救命士とは?仕事内容や消防士との違いを解説

救急救命士は、傷病者を医療機関へ搬送する途中や搬送先の救急外来で、医師の指示のもとに救急救命処置を行うための国家資格です。

救急救命士と消防士の違い
  • 救急救命士:傷病者に救急救命処置を行うための国家資格
  • 消防士:消火や救助活動を主眼とする地方公務員

同じ現場で働くことが多い両者ですが、資格の性質も担当する業務も異なります。将来のキャリアを正しく選択するためにも、それぞれの特徴をしっかりと整理しておきましょう。

救急救命士は傷病者に救急救命処置を行う医療国家資格

救急救命士は、医師の指示のもとで専門的な処置を行えるため、現場でいち早く命を救うための行動を起こせます。

2021年10月に施行された改正救急救命士法により、処置を行える場所は救急現場や救急車内だけでなく、搬送先の医療機関で入院するまでの間(救急外来)にも広がりました。

救急救命士の主な役割
  • 救急現場から医療機関に搬送するまでの間に救急救命処置を行う
  • 搬送先の救急外来でも、入院するまでの間は処置を継続できる
  • 医師の指示のもとで気道確保や薬剤投与などの特定行為を実施

実際に、心肺停止状態の傷病者に対する器具を用いた気道確保、静脈路確保のための輸液、アドレナリンの投与といった処置が法律で認められています。

ここで言う救急救命処置とは、呼吸や心臓が止まってしまった人などに対して行う、命をつなぐための専門的な処置のことです。なかでも上記のような処置は「特定行為」と呼ばれ、実施には医師の具体的な指示が必要とされています。

単なる搬送業務ではなく、直接的な医療行為を担えるという点で、その役割は極めて重要です。

救急救命士と消防士は業務内容と必要な資格が異なる

救急救命士と消防士は、担当する業務の目的と求められる資格が明確に異なります。

多くの救急救命士は消防本部に所属して救急隊員として働いているため、両者が同じ職業だと混同されやすい傾向にあります。

職業主な目的必要な資格
救急救命士傷病者への医療処置国家資格
消防士消火・救助活動地方公務員

しかし、消防士は消火や救助活動を主にする地方公務員であり、救急救命士は傷病者に医療処置を行うための国家資格です。

※消防吏員としての身分は消防組織法、救急業務は消防法、救急救命士の業務範囲は救急救命士法に、それぞれ定められています。

つまり、消防本部で救急救命士として働くためには、国家資格を取得するだけでなく、各自治体の消防官採用試験にも合格しなければなりません。資格の取得と就職は、別々の関門だと考えておきましょう。

救急救命士になるには?受験資格を得るためのルート

救急救命士の国家試験を受験するためには、救急救命士法第34条に定められた条件を満たして受験資格を得る必要があります。

受験資格を得るためのルート
  • 養成校へ進学するルート
  • 消防士として採用された後に実務経験を積むルート

誰でもすぐに試験を受けられるわけではなく、法律が定める特定のルートを通過しなければなりません。

例えば、高校卒業後の進路選択によって、資格取得までにかかる年数や学ぶ環境が大きく変わってきます。

受験資格を得るための主なルート
  • 高校卒業後に大学や専門学校などの養成校へ進学する
  • 消防士として採用された後に救急業務の経験を積む

最短で資格取得を目指す道もあれば、まずは社会人として現場経験を積みながらステップアップする道も存在します。

将来的にどのような形で現場に出たいのかを考慮し、自身のライフスタイルに合った道を選ぶことが大切です。

ここでは、救急救命士の受験資格を得るための代表的な2つのルートについて詳しく解説します。

高校卒業後は大学や専門学校などの養成校へ進学する

確実に救急救命士を目指すのであれば、高校卒業後に養成課程のある学校へ進学する道がおすすめです。

養成校ルートは、進学先によって根拠となる条文が分かれます。

進学先根拠条文概要
専門学校・短期大学など第34条第1号文部科学大臣が指定した学校、または都道府県知事が指定した救急救命士養成所で2年以上必要な知識・技能を修得する
4年制大学第34条第3号大学で厚生労働大臣が指定する科目を修めて卒業する

年数だけで決めず、実習設備や国家試験対策、就職支援まで含めて比較しましょう。

進学先を選ぶ際は、オープンキャンパスなどに参加して実際の学習環境をしっかりと確認することをおすすめします。

消防士として採用された後に実務経験を積んで受験資格を得る

養成校に進学しない場合、まずは消防官採用試験に合格して消防士として採用されるルートがあります(救急救命士法第34条第4号)。

  1. 消防官採用試験に合格する

    まずは各自治体の消防官採用試験に合格し、消防士として採用される必要があります。

  2. 救急業務の講習を修了し、実務経験を積む

    消防法に定める救急業務に関する講習の課程を修了したうえで、5年以上(救急活動を行った時間が2,000時間に達した場合は、それまでに救急業務に従事した期間)救急業務に従事します。

  3. 救急救命士養成所で研修を受ける

    所属する消防本部の推薦を受け、都道府県知事が指定する救急救命士養成所の6月課程などを修了します。

現場の空気を肌で感じながらステップアップできるため、実践的な対応力が身につきやすいルートです。

しかし、受験資格を得るまでに5年または2,000時間という救急業務の経験が求められるため、採用後すぐに救急救命士として活躍できるわけではありません。

また、所属する消防本部の推薦がなければ養成所の研修に参加できないケースも多く、誰もが希望どおりに進めるとは限らない点には注意が必要です。

救急救命士の国家試験と消防官採用試験の難易度や合格率

救急救命士として現場で活躍するためには、避けて通れない試験の難易度を正しく把握しておく必要があります。

資格取得を目指す過程では、国家試験と消防官採用試験という2つの壁を乗り越えるケースが一般的です。

2つの試験の違い
  • 国家試験:医療知識が問われ、合格率は例年90パーセント以上と高水準
  • 消防官採用試験:教養試験や体力試験など、公務員試験としての対策が必要

そのため、早い段階から計画的な学習スケジュールを組むことが重要と言えるでしょう。

救急救命士国家試験の合格率は例年90パーセント以上

救急救命士の国家試験は、適切な学習を積み重ねることで十分に合格を目指せる難易度です。

厚生労働省が公表しているデータによると、直近の第49回(2026年3月実施)は受験者3,524人に対して合格者3,344人で、合格率は94.9パーセントでした。前年の第48回も94.4パーセントで、近年は90パーセント台で推移しています。

回受験者数合格者数合格率
第49回(2026年3月)3,524人3,344人94.9%
第48回(2025年3月)3,436人3,242人94.4%

出典:厚生労働省「第49回救急救命士国家試験の合格発表」「第48回救急救命士国家試験の合格発表」

ただし、この数字は養成課程を修了した人だけが受験できる試験であることが背景にあり、「誰でも受かる試験」という意味ではありません。合格には、必修問題で8割以上、通常問題で6割以上という2つの基準を同時に満たす必要があり、必修問題の基準に届かなければ通常問題が高得点でも不合格になります。

人の命に関わる専門的な医療知識が問われるため、日々の授業を通じた継続的な学習が不可欠です。養成校で提供される模擬試験や国家試験対策を活用し、本番に向けた実践力を着実に養っていきましょう。

まずは自分に合った養成校を選び、サポート体制の整った環境で合格に向けた第一歩を踏み出してください。

救急救命士を目指すなら愛知淑徳大学

愛知淑徳大学の健康医療科学部スポーツ・健康医科学科に設置された救急救命学専攻では、救急救命士国家試験の受験資格を卒業と同時に得られます。

4年間という十分な時間をかけて基礎医学から救急救命の専門分野までを段階的に学ぶため、知識を深く定着させることが可能です。

スポーツ・健康医科学科救急救命学専攻の特色
  • 「救急救命士」の国家試験の受験資格を取得できる
  • 救急医療を科学的に学ぶ
  • 国家試験と公務員採用試験のダブル合格をめざす
  • 実践的な設備・機器が揃う学修環境

救急の現場を知る教員による国家試験・公務員採用試験の両面サポート

  • 3年次から始まるゼミの一環として担当教員が国家試験対策を実施
  • 学生の習熟度に合わせた細かな指導とアドバイス
  • エントリーシート作成指導や模擬面接など就職に向けた支援

救急救命士として現場に立つには、国家試験の合格と採用試験の突破という2つの関門を越えなければなりません。

愛知淑徳大学では、3年次より始まるゼミの一環として担当教員が国家試験対策をおこない、学生の習熟度に合わせた細かな指導とアドバイスを通じて国家試験合格100パーセントをめざしています。あわせて、消防・自衛隊・海上保安庁などの公務員をめざす学生に向けて、エントリーシート作成指導や模擬面接もおこなわれます。

高規格救急車や一般住宅を再現した実習室を備えた実践的な学修環境

実際の医療現場で使われている資器材を使って、本番さながらの実技を学べます。

学内には、医療現場で使用されている高規格救急車と、車内の設備を忠実に再現したカットモデルが配備されており、狭い車内でも的確に処置ができるよう繰り返し実習をおこないます。さらに救急救命第2実習室には、救急の現場となることが多い一般住宅の居室・リビング・キッチン・浴室・トイレなどが再現されており、家具が置かれた狭い空間での救急活動をロールプレイ形式で学修できます。

消防本部・医療機関への幅広い就職実績と高い国家試験合格率

卒業生たちは地域の消防本部から大都市の消防局、救急を担う医療機関まで、多彩なフィールドで活躍しています。

主な就職先には、一宮市消防本部、犬山市消防本部、大阪市消防局、岡崎市消防本部、春日井市消防本部、小牧市消防本部、済衆館病院、総合大雄会病院、知多中部広域事務組合消防本部、東京消防庁、豊田市消防本部、名古屋市消防本部などが並びます。2025年度の救急救命士国家試験の合格率は97.1パーセント(合格者34名/受験者35名)でした。

消防・病院・自衛隊から海外まで広がる4年間の実習

現場を知ることが、学びの質を大きく変えます。

1年次から消防・病院・自衛隊などで見学実習をおこない、高度な救急医療の現場を体感することで見聞を広げます。3年次以降は救命救急センターや大学病院、消防署など最先端の救急医療施設での臨地実習に進み、あらゆる救急医療の現場で必要とされる救命技術と判断力を養います。

さらに選択科目として海外の救急救命機関での実習が用意されており、日本との比較の観点から理解を深め、先進地の救急救命活動を学ぶことで、より高度な実践力を身につけられます。

さらに専門性を高めたい人には大学院という選択肢もある

学部での4年間に加え、大学院へ進学して高度な研究に取り組む道も用意されています。

心理医療科学研究科 心理医療科学専攻 スポーツ・健康医科学専修では、スポーツ科学・体育学・医学・栄養学・生理学のほか、社会科学や人文科学などの多角的な視点を持って、人間の生涯にわたる「健康」を支えられる人材の育成をめざしています。