健康医療科学部 健康栄養学科 武山英麿

健康医療科学部 健康栄養学科 武山英麿

武山英麿

健康医療科学部
健康栄養学科

栄養学を起点に、人や社会に貢献できる研究・教育に打ち込む。

プロフィール

学歴
  • 1991年3月:東京農業大学農学部栄養学科卒業
  • 1993年3月:東京農業大学大学院農学研究科修士課程 食品栄養学専攻 修了 修士(食品栄養学)
  • 2002年3月:名古屋市立大学大学院医学研究科博士課程 社会医学専攻 修了 博士(医学)
職歴
  • 1993年4月:国立健康・栄養研究所健康増進部 研修生
  • 2002年4月:名古屋市立大学大学院医学研究科健康科学・環境生態学講座 助手
  • 2006年4月:東海学園大学 人間健康学部 講師
  • 2017年4月:愛知淑徳大学健康医療科学部健康栄養学科 教授 現在に至る

「人々の健康や社会のために」という信念のもと、武山先生は栄養学、公衆衛生学分野の研究に力を注いできました。健康栄養学科で教鞭を執る現在は、授業やゼミでの指導はもちろんキャリア教育にもご尽力。学生たちが広い視野を持って学修・研究に励み、自分の道を拓けるよう後押ししています。

私は農学部で栄養学を専攻し、大学院の修士課程からしばらくは、微量栄養素の代謝や必要量に関する研究をしていました。その後、医学研究科博士課程に入学してからは、公衆衛生学を専門領域としてきました。公衆衛生学は病気の原因を明らかにし、人々の健康を保持・増進するためにはどのような社会や環境がよいかを探究する学問です。特に研究として専門的にしてきた領域は産業保健分野です。労働者の労働負担の軽減を目的とした国内外でのフィールド調査や、労働状況をシミュレーションした実験などを行ってきました。博士論文では、夜勤・交代勤務労働者の労働負担を軽減する対策として、勤務中の仮眠の取り方に着目し、睡眠脳波や生理・心理学的な指標を用いて効果を検証しました。夜勤労働者は昼夜逆転の生活を強いられるため、疲労が蓄積しやすく、様々な健康障害が生じやすい集団です。仮眠は負担軽減だけでなく、生体リズムの乱れを抑制し、眠気を抑制するため、安全面においても有効な対策です。最近は私の研究の原点である栄養学的な視点から夜勤対策へのアプローチを行っています。「5W1H」という用語がありますが栄養学でも「Who:誰が」、「When:いつ」、「Where:どこで」、「What:何を」、「Why:なぜ」、「How:どのように」食べるかを考えることが重要です。しかしながら栄養学では、どちらかというと「What:何を」と「How:どのように」が重視され「When:いつ」食べるということが軽視されてきたように思います。夜勤・交代勤務労働者にとって「いつ」、「何を」食べるかは健康を左右する重要な点ですが、残念ながら提案できるほどのエビデンスがありません。今後は、こうした研究を通して少しでも社会に貢献できたらと考えています。

主要著書・論文

  • サクセス管理栄養士・栄養士養成講座 公衆衛生学 健康管理概論 社会・環境と健康

    サクセス管理栄養士・栄養士養成講座 公衆衛生学 健康管理概論 社会・環境と健康

    (共著)第一出版 2011年5月

  • カレント 社会・環境と健康 公衆衛生学

    カレント 社会・環境と健康 公衆衛生学

    (共著)建帛社 2014年4月

  • エビデンスにもとづく公衆衛生学 WEB連動テキスト

    (共著)培風館 2017年6月

  • イラスト 社会・環境と健康

    イラスト 社会・環境と健康

    (共著)東京教学社 2020年4月

(2021年1月 取材)