文学部 教育学科 三和 義武

三和 義武

文学部
教育学科

教育の課題解決に向けて、社会学の視点から知見を見出していく。

プロフィール

学歴
  • 1981年3月:中央大学文学部哲学科社会学専攻卒業
  • 1989年3月:ワシントン州立大学IALC修了
  • 2006年3月:名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育科学専攻博士前期課程修了
  • 2009年3月:名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育科学専攻博士後期課程単位取得満期退学
  • 2011年3月:博士(教育)名古屋大学
職歴
  • 1981年4月:名古屋鉄道株式会社
  • 1989年4月:学校法人愛知淑徳学園職員
  • 2011年4月:愛知淑徳大学文学部教育学科講師
  • 2014年4月:愛知淑徳大学文学部教育学科准教授
  • 2021年4月~現在:愛知淑徳大学文学部教育学科教授
主な学外活動
  • 2006年4月:愛知県私立大学・短期大学就職問題懇話会会長(2008年4月まで)
  • 2007年4月:中部学生就職連絡協議会連合会会長(2008年4月まで)
  • 2007年6月:「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(学生支援GP)
    ペーパーレフェリー 独立行政法人日本学生支援機構(2008年3月まで)

いじめや不登校、18歳人口の急減による高等教育の変化など、教育のさまざまな課題と向き合う三和教授は、社会学の視点から解決の糸口を探っています。研究活動だけでなく、文学部教育学科のキャリア教育にも尽力。「自ら考えて行動を起こし、失敗からも大いに学ぼう。チャレンジし、努力を重ねることで、人は生涯、成長し続けることができるのだから」と語り、教員などをめざす学生たちの背中をやさしく押しています。

18歳人口が減少するなか、教育はどうあるべきか。

現在、18歳人口は、1992(平成4)年の205万人をピークに減少傾向をたどり、2014(平成26)年は118万人、2031(平成43)年には99万人になり、100万人を切ると予測されています。このような人口動態のなかで、高等教育の量的・質的問題の議論が活発になされています。私の専門は、これらの高等教育に関する制度や政策の他に、いじめ問題、戦前・戦後の教育制度、キャリア教育などの教育社会学の分野です。

いじめ問題を考える。

いじめ問題では、現在、直接的ないじめに加え、スマートフォンなどを使ったSNSによる間接的ないじめが発生し、それが、自殺、不登校や非行へとつながっていくケースも少なくありません。本学の教育学科は、特別支援学校教員や小学校教員などの養成をめざす学科でもあるため、この問題についても根本的な改善策を見出すことが重要です。
また、高等教育では、第二次世界大戦前・後を通して、明治期以降形成されてきた教育制度、教育政策・行政に着目。教育制度では、戦前の複線化(師範学校・高等女学校など)された多様な教育制度から、戦後における米国の民主的な教育思想を導入することによって制度化された6・3・3制(小学校・中学校・高等学校)への変遷過程などを研究対象としています。

必要なスキルが身につく、大学生のキャリア教育。

高等教育政策については、18歳人口の減少に対応するため、大学の存在意義を明確にとらえ、それぞれの大学がめざす方向性(たとえば、研究中心の大学、教育中心の大学、幅広い職業人を養成する大学、総合的教養教育を中心とした大学など)を探ります。その上で、各大学が魅力的で特色ある教育・研究を模索しながら、多様な制度設計に取り組む政策を考えることが重要です。
さらに、キャリア教育では、とくに大学生のキャリア教育に力を入れ、職業を通した人生の生き方を中心に、現実的な就職活動についても指導し、大学生として必要なジェネリックスキル(汎用的スキル)、ダイバーシティ(多様性)、行動力、思考力、協調性などをいかに醸成させるかを探究しています。

主要著作

  • 高等教育制度と大学設置認可行政

    高等教育制度と大学設置認可行政

    多賀出版 (2013年)
    単著

  • 大学教育学会誌

    大学教育学会誌

    大学教育学会編集委員会 (2007年)
    (「ケーススタディからみた大綱化前後の大学設置認可行政」PP93-99)

  • 大学行政管理学会誌

    大学行政管理学会誌

    大学行政管理学会広報委員会 (2007年)
    (「戦前期における私立高等教育の量的拡大-設置認可行政との関係を中心に-」PP55-62)

(2015年7月 取材)