心理学部 心理学科 小川 一美

小川 一美
心理学部
心理学科
良好なコミュニケーションを追究し、社会やキャリア教育に還元したい。
プロフィール
- 学歴
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- 1996年3月:三重大学教育学部小学校教員養成課程卒業
- 1998年3月:名古屋大学大学院教育学研究科博士課程前期課程修了 修士(教育心理学)
- 2002年3月:名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学
- 2007年3月:博士(心理学)名古屋大学
- 職歴
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- 2002年5月:名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教育学部助手
- 2002年11月:大同工業大学教養部講師
- 2004年4月:愛知淑徳大学コミュニケーション学部講師
- 2007年4月:愛知淑徳大学コミュニケーション学部准教授
- 2010年4月:愛知淑徳大学心理学部准教授
- 2015年4月現在:愛知淑徳大学心理学部教授
子どもの頃から人の話し方や口調に興味があった小川教授は、日常の会話を大学院での研究テーマに選定。社会心理学における対人コミュニケーションの分野でも、教授のように二者間の会話行動を扱うことは珍しいそうです。しかし、社会が多様化およびグローバル化してコミュニケーション力の必要性が高まった現在では、小川教授の研究は国の助成金を獲得するなど、多方面から期待を集めています。
豊かな人間関係を築く対人コミュニケーションを研究。
専門は社会心理学です。その中でも、対人コミュニケーション(個人間のコミュニケーション)に関する研究をおこなっています。私たちは「話す」「聴く」という行為に非常に多くの時間を割いています。だからこそ、対人関係において会話がもたらす影響力は大きいと考えています。心地よい会話ができる相手とは親密になる可能性が高いでしょうし、ストレスなく会話ができる相手とは一緒に仕事をしたいと思えるでしょう。そこで、豊かな対人関係を築くための対人コミュニケーションとはどのようなものであるかを、実験や調査を通して科学的に検討しています。

「コミュニケーション力」とは、どのような力なのか。
また最近は、コミュニケーション力に関する研究もおこなっています。企業をはじめ中央省庁までもが「コミュニケーション力が重要」と声高に叫んでいるにもかかわらず、そもそもコミュニケーション力とはどのような力なのかということが明確にされていないのが現状です。そこで、コミュニケーション力と呼ばれるものの概念を整理・検討したり、測定尺度の作成を試みたりしています。その上で、大学生に求められているコミュニケーション力とはどのようなものか、そして育成するにはどのような働きかけが効果的かといったことを、科学研究費(課題名:共通の効果測定による対人コミュニケーションに関するトレーニングや体験型課題の整理)や本学の研究助成を受けながら研究しています。 同窓生の一部の皆様にも郵送調査にご協力いただき、1400名ほどの方からご回答いただいたこともあります。多くの同窓生の皆様からデータと共に「後輩たちの役に立てて欲しい」というメッセージも受け取りました。学生たちに先輩たちの想いを届けるために、データを分析し、報告書にまとめたりもしました。
心理学の研究プロセスは社会人基礎力の養成にも役立つ。
心理学研究では、仮説を立てて、実験や調査等を通してデータを収集し、それを客観的に分析し、論理的に考察していきます。このプロセスは社会人基礎力につながる有益なものだと私は思っています。心理学部の学生たちが卒論研究を通して、論理的思考力、実証的分析力、コミュニケーション力を養ってくれることを強く願っています。
主要著作
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スタートアップ『心理学』
-高校生と専門的に学ぶ前のあなたへ-ナカニシヤ出版(2013年)
共著 -
対人関係の社会心理学
ナカニシヤ出版(2012年)
共著 -
展望 現代の社会心理学2
-コミュニケーションと対人関係-誠信書房(2010年)
共著 -
体験で学ぶ社会心理学
ナカニシヤ出版(2010年)
共著 -
心理学概説
-こころを科学する-ナカニシヤ出版(2010年)
共著
(2015年7月 取材)