グローバル・コミュニケーション学部 グローバル・コミュニケーション学科 福本 明子

福本 明子

グローバル・コミュニケーション学部
グローバル・コミュニケーション学科

外国語や異文化を学ぶことで視野が大きく広がり、考え方が自由になる。

プロフィール

学歴
  • 1993年3月:南山大学外国語学部英米科卒業
  • 1999年5月:ニューメキシコ大学コミュニケーション・ジャーナリズム学部修士課程修了 MA (Communication)
  • 2003年12月:ニューメキシコ大学コミュニケーション・ジャーナリズム学部博士課程修了 Ph.D.(Communication)
職歴
  • 1993年4月:藤谷特許事務所勤務。国際特許出願を担当(~1997年)
  • 2004年4月:愛知淑徳大学ビジネス学部講師
  • 2007年4月:愛知淑徳大学ビジネス学部准教授
  • 2014年4月現在:愛知淑徳大学ビジネス学部教授

もともと話すこと・伝えることに興味があったという福本教授。大学時代にゼミで異文化コミュニケーションを学んで以来、その広がりと楽しさに心惹かれ、英語や異文化、コミュニケーション研究を追究するようになったといいます。グローバル・コミュニケーション学部はAll Englishの授業が特徴ですが、英語力はあくまでも視野を広げたり新しい気づきを得るための一つの手段。英語を使って広く社会を見聞きし、学問を深めてほしいと語ります。

異なる価値観や意見を持つ人と向き合うために。

私の専門は異文化理解・コミュニケーション研究です。この学問がめざしているのは、より多くの人が幸せになるような社会や関係をコミュニケーションの観点から達成すること、とでも表現しましょう。私たちが人と接する時、相手や自分自身に対する意味づけは「かなり」偏っていることを自覚する必要があります。その上で、異なる価値観や意見を持つ人と向き合い、より平等な社会をめざして意見を摺り寄せることが大切です。異文化理解・コミュニケーション研究とは、そのためのスキルと知識を学ぶための学問だと思っています。もちろん、「話してもわかり合える」とは限りません。ただ、「話せば分かり合えることも『あるかも』しれない」と考え、その可能性にかけるための想いと行動を大切にしたいと思っています。 今、私自身が関心を寄せているテーマは、もめごとや対立を摺り寄せる言葉についてです。価値観や信じることが異なる集団に対し、どのような言葉や姿勢で働きかけると折り合いをつけ、希望が見出せるのかということを研究しており、村上春樹の投書やスピーチを比較分析したこともあります。

英語を手段として活用し、見聞を広めてほしい。

英語や異文化を学ぶということは、視野を広げることにもつながります。私自身、英語や異文化を学び、非常に考え方が自由になりました。私たちは母語や生まれ育った地域から、さまざまな社会のルールや意味づけを学びます。それは常に「あなたはこうだよ」「この社会ではこれが望ましいよ」というメッセージを社会や周囲から日々受けていることを意味します。ところが、ほかの言語や文化を学ぶと、それらが変わればメッセージの意味も変わることに気がつくのです。すると、「そうか!こういう選択肢や価値観もあったのか!」と視野が広がります。気持ちが明るく、楽しくなります。自分の解釈や関わり方で、自分も相手も変わります(変わらないこともあるけれど、笑)。この広がりと楽しさが、私が英語と異文化、コミュニケーション研究に心惹かれる理由です。
本学のグローバル・コミュニケーション学部では英語力の修得に力を入れていますが、英語力だけ伸ばせばいい、という考え方ではありません。英語が手段であることを認識し、「英語を使って知識や見聞を広め、社会と関わりたい!」という周囲に開かれた関心を持つ学生さんを待っています。知りたいことがあり、たまたま英語で書かれていたから読んでいるだけというように、自然な姿勢で英語を手段とし、思考がわくわくするような授業を心がけたいと思っています。

主要著作

  • ジェンダーの交差点

    ジェンダーの交差点
    ―横断研究の試み

    愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所編 彩流社(2009年)
    (「歴史論争を巡るジェンダーとコミュニケーション―グローバリゼーションと『歴史教科書問題』から考える」PP119-152)

  • Small Group Communication

    Small Group Communication

    Hirokawa et al (Eds.)Brown and Benchmark(2003)
    (Oetzel, Mearesと共著  "Cross-Cultural and Intercultural Work Group Communication Between Japanese and U.S. Americans." PP239-252)

  • 原爆ピアスを巡る集団の記憶の検証

    原爆ピアスを巡る集団の記憶の検証
    ―集団の記憶のリテラシーを求めて―

    日本コミュニケーション学会ヒューマン・コミュニケーション研究32号 (2004年)
    論文

  • Communicating across Time and Experiences-How did the Survivors of the Great Hanshin Earthquake Convey Their Messages by Negotiating Cultural Norms?-

    Communicating across Time and Experiences-How did the Survivors of the Great Hanshin Earthquake Convey Their Messages by Negotiating Cultural Norms?-

    日本コミュニケーション学会ヒューマン・コミュニケーション研究31号(2003年)
    論文

(2015年7月 取材)