【学長からのメッセージ】2021年度前期の授業等の方針について

令和3年2月10日 学長 島田修三

 新たな年を迎えても、新型コロナウイルスの感染拡大は終息の気配を見せません。世界規模で拡大する感染症として、すでに3年目に入って来ました。本学でも昨年3月の卒業式・学位授与式、4月の入学式という大学の節目に当たる大切な恒例行事を、学生・教職員が一堂に会する従来の方式で開催することはできませんでした。そのほか、新入生合宿を始めとして、大学生活をいろどる様々な集団行事が中止をやむなくされました。 学外研修、海外留学、海外インターンシップなども行えない状態でした。まことに痛恨のきわみというしかありません。まことに残念ですが、今回も昨年同様、卒業式・学位授与式は全卒業生を一堂に会しての方式では実施されず、各学部、学科、専攻単位での小規模方式での卒業式・学位授与式に替わります。新入生合宿も見合わせております。

 昨年から今年にかけて、もっとも感染拡大の影響をこうむったのは、大学の生命ともいうべき授業でした。昨年4月以来、面接授業のクラスが激減し、代わりにオンラインによる遠隔授業が実施されるようになったことです。オンライン授業は聴講する学生の皆さんだけでなく、講義を行う側の教員も、にわかに取り組まざるを得ない方法でしたから、必ずしも面接授業のように円滑には進行しないケースも多々あったことと思います。幸い、学生の皆さんの適応力とスキルが高く、教員も大いに奮闘し、また大学の情報環境整備の取り組みの迅速さも功を奏して、令和2年度のカリキュラムを成就する見込みが立っております。

 また、昨年からこの1月末まで、本学でも個別的にはウイルスの陽性者、感染者は出ておりますが、授業やクラブ活動を通しての集団感染は起こっておりません。危機管理室および保健管理室を中心とする徹底した感染防止対策や衛生教育の成果によるものと思います。同時に学生の皆さんに、感染防止に対する社会的な自覚が育って来たことも大きな理由でしょう。学長としてまことに心強く思っております。

 さて、令和3年度、つまり今年の4月からの教学に関する大学の方針ですが、基本的には令和2年度の考え方を踏まえたものになります。愛知県には、3月7日まで緊急事態宣言が続くことになりました。しかし、これはあくまでも行政的な感染対策の目安であって、感染拡大が収まる予定を示すものではありません。状況はいつ変わるかわからないという認識を前提として、少なくとも、令和3年度前期は以下のような授業を行って行きます。

 対面方式での面接授業を原則として、大人数の授業については履修者の制限や教室の変更、授業コマの増加、場合によっては、従来どおり遠隔授業で行うことにします。面接授業に関しては、感染防止の対策に万全を期し、体温等の記録を記す健康管理手帳の提示なども、引き続き面接授業の受講条件とします。また万が一の事態に備えて、教室も授業ごとに着席位置を決める方式を取ります。全学共通履修科目と専門教育科目についてはそれぞれ方法を変えて実施していきます。特に専門科目では、15回すべてオンデマンド方式、クラスを分割しての対面授業の実施、あるいは面接授業とオンデマンド授業の併用など何通りかの方法で学生の皆さんの履修の実態に柔軟に対応して行きます。そのほか、具体的で仔細な授業方針については、新年度を迎える前に学部(学科・専攻)ならびに教務事務室・教学事務室から説明があります。

 大きな方針としては、以上のような授業方式を、少なくとも来年度前期までは実施する予定でおります。新たに2年生になる学生の皆さんは、新3年、4年の先輩たちと異なり、教員との面接の機会が極端に少なく、友人や先輩と親密に交流する多くの機会も奪われて、大学生活の最初の1年間が終わろうとしています。今後、ゼミなどは対面形式で行われる機会が増えるかと思いますので、失われた1年間を意欲的に奪い返すつもりで、新2年生としての学生生活を迎えてほしいと願います。また新4年生は、この状況下での就職活動は必ずしも楽観はできないかも知れませんが、大学のキャリアセンターが全力で皆さんの活動を支援します。しっかりと足もとを見つめ、希望を持って就職活動に挑んでください。

 最後に、一日も早い新型コロナウイルス感染の終息を皆さんとともに心から祈りたいと思います。