保護者の皆さまへ

令和2年5月1日 学長 島田修三

 本来ならば後援会総会などを通し保護者の皆さまとお会いしたうえで、お話し申し上げねばならぬところですが、折からの新型コロナウイルスの感染拡大によって文書でご挨拶をしなければなりません。まことに残念ですが、どうか事情を鑑み、ご容赦いただければ幸いに存じます。

 ご存知のように、国および県の緊急事態宣言によって、施設規模が1000㎡を超える規模の大学には休業が要請されており、むろん愛知淑徳大学もその要請の範囲に入っております。本学は5月11日より前期授業開始を予定しておりますが、現時点ではまだ緊急事態宣言は解除されておりません。したがって、キャンパスや校舎に多くの学生を集めて対面授業を行うことが困難になる可能性が高いといえます。その困難に遠隔授業(オンライン授業)を準備し、対応していく方策が各大学に文部科学省から示唆されています。本学も非常に短い準備期間ではありますが、全学を挙げて遠隔授業の仕組みを導入構築し、授業開始時点で学生に配信できる体制を整えつつあります。

 従来の集合授業、対面授業からいきなりオンラインによる遠隔授業に移行するわけですから、当初は必ずしも円滑な授業進行はできないかも知れません。また学生との対面を必要とする実習・実技系の授業はもちろん、その他の授業でもさまざまな事情によって後期以降に開講せざる得ない科目もあります。学生も希望していた授業が前期には休講になったり、教員の対面による実習・実技系科目が開講されないなど、不満を感じたり、不安や失望に陥ったりすることもあるかと想像いたします。そうした学生の不満や不安、失望に対し、後期以降、大学を挙げて細やかに対応していき、今回の新型コロナウイルス禍でこうむった不利益を卒業までには回復させるよう努力してゆく所存です。

 なお、オンライン授業のための受信環境が整わない学生には、大学施設内でのパソコンによる聴講(いわゆる三密を避けた安全な聴講環境を用意します)、さらにノートパソコンなどの機器の貸与といった対応もきめ細かく準備しておりますので、本学ホームページなどでご確認いただければ幸いです。また、こうした困難な状況下で学修を続けなければならぬ全学生一人ひとりに特別奨励金として一律5万円を支給いたします。学修のために必要な資金として有効に活用してほしい、というメッセージをこめた奨励金です。そのほか奨学金に関しては、本学ホームページに詳細を掲載いたしますので、閲覧をお願いいたします。

 解決の難しい問題の次々に現れる現在ですが、私ども愛知淑徳大学の教職員は全力を尽くして学生の教育指導に当たる覚悟でおります。どうか、以上の事情をご理解、お察しの上、お子さま方の不安になりがちな学生生活を温かく見守っていただければ幸いです。いまは一刻も早く新型コロナウイルスの感染拡大が止まり、終息に向かうことを願うばかりです。保護者の皆さま方のご自愛を心からお祈り申し上げます。