国文学科

日本の文学や国語学、中国文学を広く深く学び、創造的思考力を磨きます。

日本の古典文学、近・現代文学、国語学、中国文学を中心に学びます。文章表現力を鍛え、論理的な意見を組み立てる力を磨き、課題の発見から解決に至るまでを自分自身で導き出せる人材の育成をめざします。将来は、国語科教員をはじめ、公務員、一般企業など幅広い分野での活躍が期待されています。


  • 国文学科の概要
  • 自己実現ピラミッド

見につく力 見につく力

国文学科の特色

国文学の基礎から専門科目まで
選択肢を広げる幅広い学び

国文学を学ぶ上で必要な基礎を徹底的に学修。基礎をしっかり学んだ上で、専門的な授業・ゼミで学ぶことにより、文学に対する理解をさらに深めることができます。

教員志望者への学科独自の
実践科目の充実

中学・高校での現場経験が豊富な教員たちが、丁寧な指導をおこなっています。教育現場で必要なスキルを身につけることで、即戦力となる教員を養成します。

興味・関心に合わせた少人数
かつ多彩なゼミナール

本当に学びたい領域の専門性を深めることができるように、10のゼミを用意。学生それぞれの自主性を尊重しながら活発に意見交換し、批評的思考力を高め合っています。

国文学科の魅力

実践的な科目で教員養成をサポート

国語科教員養成

教員を志望する学生に向けた「実践科目」を設置
教員志望の学生向けに、授業技術や生徒の指導方法を実践的に学ぶことのできる「実践科目」を開講し、学校現場に多くの人材を送り出しています。

教員採用試験合格者数


実践国語文法

文語文法の基本的な知識を修得すると共に、実践的な知識を理解。オリジナルのテキストを用い、講義と演習を交互におこなって、文語文法の指導法を着実に身につけます。


実践国語教育演習
  • 高校の教科書教材を使った「授業作りのワークショップ」を実施。グループワークを中心に、段階を踏んで課題に挑戦し、最終的には、模擬授業で成果と課題を確認します。

  • 実践国語教育演習



体験・経験から理解につながる学び

国文学会研究旅行  
国文学の世界を五感で味わう

国文学科の学生と教員によって構成される国文学会は、毎年研究旅行を開催しています。文学にゆかりのある地を訪ね、自分の五感を用いて文学作品の世界への理解を深めることが目的です。2023年度は愛知県犬山市の博物館明治村を訪れ、森鴎外・夏目漱石住宅などを見学しました。日々の授業で学んだことを活用し、博物館の展示を通じて、学びを深めました。

  • 国文学会研究旅行
  • 国文学会研究旅行

国文学会主催 文学部講演会  
真名本『曽我物語』を“形見”から読む

国文学会が学外の先生や卒業生などを招き、講演会を企画・運営しています。2023年度は真名本『曽我物語』について講演。曽我兄弟による敵討ちを描いた作品で、物語内に兄弟の形見が数多く登場することに着目します。歴史の当事者である兄弟が、後代に評価されることを見越して、あえて歴史的根拠となり得る形見を描いたと考察。作品の奥深さにふれ、学びを深める講義となりました。

  • 国文学会研究旅行
  • 国文学会研究旅行

文学を読んで味わおう

国文学科で文学作品を読むということは、文章を読み解くだけではなく、その時代の「慣習」「文化」「自然現象」「筆者の状況や思想」などを読み取り、真意を探るということです。

文学を読んで味わおう

  • 国文学科が大切にするのは学生一人ひとりの多様な価値観です。ゼミナールを中心に文学作品を読み込み、少人数の環境で学生同士がさまざまな意見を出し合う中で、作品の奥深さにふれながら、自ら意見を述べる力や批評的思考力を磨きます。教員は学生の適性・学力に合わせて丁寧にサポートします。

  • 文学を読んで味わおう
  • 文学を読んで味わおう
  • 文学を読んで味わおう
先輩から聞く学科(専攻)のこと在学生・卒業生の先輩が、学びのことを教えてくれます。詳しく読む
  • 就職決定者の声

  • 文学作品の研究を通して、多角的な視点を持つことができました。

    在学生

    平田 小夏さん
    文学部 国文学科 4年
    (愛知県・私立名城大学附属高等学校 出身)

    もともと本を読むことが好きで、大学では国文学を学びたいと思い、本学科に入学。愛知淑徳大学の国文学科では、古典文学だけでも上代・中古・中世・近世と細かく時代分けされており、国語学や中国文学など分野も多彩。高校までの授業ではあまりふれなかった時代の文学が学べる『国文学講義』の授業もあり、興味の幅を広げる機会が多いと感じています。
    『国文学特殊講義 文学と映像表現』では、文芸作品を原作とする映画を鑑賞し、文学と映像表現の違いについて比較検討することで、小説をさまざまな角度から読む力が身につきました。ゼミでは、現代文学を研究。先行研究が少ないため、論文だけでなく雑誌のインタビュー記事や書評など広い範囲から文献を探すことは大変でしたが、情報収集し、レポートにまとめて発表することで、情報を整理してわかりやすく伝える力が養われました。また、今を生きる人々に寄り添い、時代の傾向を把握できることも、現代文学を学ぶ魅力のひとつだと感じています。学科の学びを通して身につけた、物事を多角的な視点で探究する力を、今後も活かしていきたいです。

  • 就職決定者の声

  • 古典文学の深い知識と実践的な教育法を修得。国語の楽しさを伝えられる教員へ。

    卒業生

    山田 はるなさん
    文学部 国文学科 2022年度卒業
    (愛知県立丹羽高等学校 出身)
    就職先:愛知県教育委員会(中学校教諭・国語)

    もともと興味があった古典文学の専門知識が身につけられ、さらには教員免許を取得できることに惹かれて本学科へ。『国文学演習Ⅰ(2)中古』では、古典文学の背景にある当時の社会情勢や文化などについても調べ、作品を多角的な視点から考察し、深く理解する力を磨きました。卒業論文のテーマは「源氏物語」です。豊富な先行研究を活用し、同じ一文でも異なる解釈をしている論文を比較・分析。多様な角度から何通りもの読解ができる古典文学の奥深さと面白さを学びました。また、『実践国語教育演習』では、グループワークを通して授業づくりを実践。他の学生と意見を交換し、自分とは異なる視点にふれることで、授業方法の幅が広がったと感じています。そうした授業での学びを活かし、教育実習では、古典が苦手な生徒でも興味が持てるよう、画像を多用して作品をイメージしやすくする工夫をしました。これからは、大学で身につけた深い知識と経験を活かし、国語科教員として、生徒たちに国語を学ぶ楽しさを伝えていきたいです。

  • 就職決定者の声

  • ものごとを多角的に捉え、論理的に考える力を

    卒業生

    木村 華歩さん
    文学部 国文学科 2021年度卒業
    (愛知県・私立聖霊高等学校 出身)
    就職先:愛知県教育委員会(中学校教諭・国語)

    Q1 この学科(専攻)を志望した理由は?

    国語の教員をめざして、高い教員採用実績を持つ国文学科への進学を決めました。オープンキャンパスで受けた近代小説の模擬授業が印象的だったことも決め手のひとつ。興味の薄かった近代小説も、先生から細かな描写の解説や文章の読み解き方を聞くと魅力的に感じ、深く学びたいと思いました。

    Q2 印象的だった授業は?

    『国文学特殊講義 和歌文学』の授業です。わずか31文字の中に言葉を駆使して自分の想いを表現している和歌に興味を惹かれました。同じ和歌でも視点を変えるとその解釈も異なります。授業で話し合うと学生間でも人によって幸せな恋の歌にも悲恋の歌にもなるなど、受け取る印象はさまざま。驚くと共に、自分にはない考え方に気づくことができました。映像や歌詞を文学と結びつけて考える授業もあり、文学の奥深さを改めて実感しました。

    Q3 この学科(専攻)で学んで成長したところは?

    ものごとを多角的に捉え、論理的に考える力です。討論の授業を通して、他者の意見にも耳を傾け、相手に伝わるよう根拠を持って発言できるようになりました。教職課程でも、授業は生徒との対話によって展開していくものだと学びました。生徒一人ひとりの声に耳を傾け、しっかりと向き合える教員になりたいです。



4年間の学び(2024年度)



PICKUP!科目詳しく読む
  • 国文学演習
  • 国文学演習
  • くずし字読解
  • くずし字読解
古典文学の名作にふれる科目:古典基礎

「平安貴族の恋愛事情」「平安貴族の日常生活」「古典文学の絵画化」など、古典作品のおもしろさが体感できるような話題に着目し、1回完結方式で授業を展開。古典文学の読解と研究に必要な知識を身につけます。


文章を読み解き読解力を身につける科目:評論読解基礎

基礎にふさわしい評論を題材としながら、人文系の大学生に求められる基礎的な知識と読解力を身につけます。また、要約・批評の方法も丁寧に解説。小グループに分かれて議論しながら課題文を読み解く、実践的な学びもあります。


文化的背景にふれ、文学への理解を深める科目:国文学講義

上代、中古、中世、近世、近代、現代といった各時代の文学作品に対する知識を深めると共に、文学研究や読解の基礎的方法を修得。作品を取り巻く文化的背景を理解しながら、物事に対する新たな視点や考え方を学びます。


言語表現の理論と方法を学ぶ科目:文章表現a・b

「自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように書く」ことを目標に、詩や小説、評論などの枠を超えたすべての言語表現に共通する基礎知識・技術を修得。作品制作や相互批評を繰り返しながら、表現の方法と理論を学びます。


活発に意見を交わし、文学作品を研究科目:国文学演習Ⅰ・Ⅱ(ゼミナール)

文学作品を読み込み、学生同士が活発に議論して作品の奥深さにふれながら、自ら意見を述べる力や批評的思考力を磨きます。小説や文豪にゆかりのある地を訪ね、作品への理解を深めるなど、体験的に学んでいます。


くずし字を学び古典文学を原本で読み解く科目:くずし字読解Ⅰ・Ⅱ

江戸時代以前に使われていた、ひらがなや漢字の形が崩された「くずし字」を学びます。手書きの絵巻や絵本の詞書、さらには絵がない写本までを楽しんで読み進め、古典文学を原本で読むための手ほどきをしていきます。

時間割例

中高の教員免許を取得する場合の2年次後期

時間割例

興味のある領域の科目を自由に選択

古典文学、近・現代文学を中心とする多様な専門科目から、自分の興味に応じて選択できます。

中高の教員免許も無理なく取得可能

中高の国語科の教員免許を取得するための科目が無理なく受講できるように時間割が組まれています。

資格・免許

取得できる資格・免許
  • 中学校教諭一種免許状(国語)
  • 高等学校教諭一種免許状(国語)
  • 司書
  • 学芸員
取得を支援する資格など
  • 小学校教諭免許状(一種・二種)
  • 日本漢字能力検定
  • 日本語検定

就職

教員採用試験合格者数(2023年度)
  • 中学校 7名(7名)/
  • 中学校・高等学校 5名/
  • 高等学校 6名(3名)/
  • 特別支援学校 2名(2名)/
  • 計20名(12名)

  • ※( )内は、既卒生人数、補欠含まず
主な就職実績
  • 愛知銀行
  • 愛知県教育委員会
  • 愛知県国民健康保険団体連合会
  • 岐阜県教育委員会
  • コーエーテクモホールディングス
  • 社会保険診療報酬支払基金
  • 十六銀行
  • スズキ
  • 積水ハウス
  • 富山県教育委員会
  • トヨタ自動車
  • 豊田信用金庫
  • 名古屋銀行
  • 西日本旅客鉄道(JR西日本)
  • みよし市役所
  • 菱電商事
  •  他

ゼミナール(2024年度)

  • 中野 謙一ゼミ上代文学
    外山 敦子ゼミ中古文学
    塩山 貴奈ゼミ中世文学
    早川 由美ゼミ近世文学
    吉田 竜也ゼミ近・現代文学(明治・大正)
  • 竹内 瑞穂ゼミ近・現代文学(大正・昭和)
    橋本 あゆみゼミ近・現代文学(昭和・平成・令和)
    増井 典夫ゼミ日本語学(日本語史・方言)
    吉田 健二ゼミ日本語学(アクセント)
    中塚 亮ゼミ中国古典文学
  • 外山 敦子 ゼミ
    文献、フィールドワークから平安文学を読み解く

    平安時代のかな文学の読解・考察を通して、古典文学の読み方や文学研究の方法を学びます。3年次は『源氏物語』の新たな解釈をめざして発表と議論を重ね、4年次は培った研究スキルを活かして卒業論文を作成します。平安文学ゆかりの地を巡る「研修旅行」など、年間を通してさまざまなイベントもあります。

  • 竹内 瑞穂 ゼミ
    近代文学を通して新たな読みを探究する

    3年次は、近代文学の主要な作家(谷崎潤一郎・芥川龍之介・川端康成・太宰治・三島由紀夫など)の代表作を題材に、文学研究の基礎を身につけていきます。4年次は、各自の卒論テーマに即した作品を取り上げ、これまでの研究を乗り越える新たな読みを、ゼミでの議論を通じて探っていきます。



学生たちの研究テーマ例

  • 『古事記』において女の嫉妬が語られる意味
  • 源氏物語における「髪」の描写の意味
  • 筒井康隆の変容、あるいは虚構意識の深化 -実験小説群から『モナドの領域』まで-
  • 『明暗』の語らない「語り手」 -言外に潜むもの-
  • 宇佐見りん『推し、燃ゆ』-「浮遊する居場所」の人間-
  • 上田秋成の読本『雨月物語』と溝口健二の映画『雨月物語』の比較
  • 中部における新イントネーションの変容と拡張