福祉貢献学科 社会福祉専攻
日常生活に課題を抱えた人々が、自らの生命や生活に関して自分自身で決定できる道を拓き、違いを共に生きられる社会。こうした社会の創造に取り組むことができる社会福祉士、精神保健福祉士をはじめ、地域に貢献できる人材の育成をめざします。“個”に向けたサポートに留まらず、家族・地域・社会全体といった“環境”に対して働きかけができる広い視野を獲得した卒業生たちは、多彩な分野で活躍しています。
社会福祉専攻の特色
社会福祉士、精神保健福祉士の
国家試験受験資格の取得が可能希望者は社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験の受験資格を取得することができます。国家試験対策の授業や模擬試験の実施など、充実したサポートで資格取得を後押しします。
人と社会を広く捉える力を武器に
将来の選択肢を広げる卒業後は高齢者、障がい者、子ども家庭、医療、精神保健、公務員など、さまざまな分野の福祉職をはじめ、高齢者や障がい者との関わりの多い住宅や介護用品を扱う企業等への就職も。活躍の場は、多岐にわたります。
地域の問題に取り組み
広い視野や社会的能力を養う地域の人々と一緒に活動する『コミュニティ・アクティブ・ラーニング』を開講しています。地域で共に福祉に取り組むための、幅広い視野と対応力を養います。
社会福祉専攻の魅力
社会福祉の学びの先にある進路実現のサポート
キャリアデザイン
福祉を通して社会に貢献するために、どのような職場や職種を通して社会に働きかけるか、これらの分野が求める人材についての理解を深めます。さらに社会福祉分野での体験談を聞き、社会に貢献するために備えるべき資質について考察。それによって就職活動のみならず、将来設計に重要な、価値観の形成、生活する力、働く力、育む力、生きる力などを考え、自己表現できるようになることをめざしています。
国家資格の取得サポート
社会福祉士が必要とする基礎的専門知識や、社会福祉に関連する法律・施策の改正などを含めた動向について学修。問題演習もおこない、国家試験における問題対応能力を養います。また、教室の一室を自主学習室として開放し、学生が国家試験に向けて勉強に打ち込むことができる環境を整えています。
体験・経験につながる学び
学外実習(2023年度)
★ 印は、実習前の学生が先輩の実習での学びを聴く機会にもなっています
実習レポート学外実習を経験して詳しく読む
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子どもの「自立」を促す、未来を見据えた支援の大切さを実感。
手嶋 日菜乃さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 4年(愛知県立大府高等学校 出身)
実習先デイサービスセンターまりん3年次の『ソーシャルワーク実習』では、障がいのある子どもを支援する施設で実習をおこない、音楽活動プログラムに参加しました。子どもたちが自分の気持ちを表現できるようにするためのものであり、一人ひとりと向き合うさまざまな工夫が凝らされていました。実習を経て私の心に残ったのは、子どもたちを見守る職員の方々の姿です。小さなことでも本人に自己決定してもらい自立を促していることを知り、その場限りではなく将来を見据えた声かけや対応の大切さを学びました。今後も知識の修得と実践を積み重ね、視野を広げて最適な支援ができるソーシャルワーカーをめざします。
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ふたつの資格へのチャレンジが、幅広い視野を持つ成長につながった
板津 匡哉さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度卒業(岐阜県立可児高等学校 出身)
相談援助実習:実習先
特別養護老人ホーム サンビレッジ新生苑実習当初は、担当させていただいた利用者さんのニーズをくみ取ることが難しく、適切なケアプランをつくることに悪戦苦闘。実習指導の職員の方からは、教科書通りになりすぎず、相手の話を聞きながら向き合うよう助言され、徐々に意思疎通が図れるようになりました。職員の皆さんは、すべての利用者さんの好みや境遇、性格を把握されていました。声のかけ方や意図を持ったコミュニケーションなど、相手を理解しようと努めることが円滑な関係性につながる。改めて人と向き合う仕事なのだと実感しました。
精神保健福祉援助実習:実習先
社会福祉法人親愛の里 ジョブサポートフォルテ/愛知県精神医療センター実習で実感したのは、施設は自立を促す場所であり、おこなうべきは“支援”であって、利用者さんの代わりにおこなうものではないということです。例えば、利用者さん同士で揉めごとが起きてもお互いの言い分を聞いて助言をするだけにし、自分たちで解決できるよう導くことが大事になります。また、精神に障がいのある利用者さんには依存性が高い人もおり、精神保健福祉士に頼れば大丈夫という環境をつくるのは支援ではないことも学びました。利用者さんの生活の質向上のために何を提供すべきか、有資格者として忘れてはいけない意識が育まれました。
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福祉の現場で見聞を広げることが、何よりの財産になる
金田 美穂さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 3年生(2019年度)
私は、障害のある方が地域での生活・福祉に関する相談をする相談支援事業所で働く夢を抱いています。社会福祉士だけでなく、精神保健福祉士の資格を取得し、幅広い方を支援できる人材をめざしています。資格取得のためには実習が必須。社会福祉士の実習は、生活介護事業所で重症心身障害者のサポートで、3年次後期に24日間経験しました。初めての実習ということで、意識したことは挨拶。「〇〇さん、おはようございます」と、名前を付けて呼ぶことで、身近に感じてもらうように意識。そのおかげで、何でも頼ってくれるほどに心を開いてくれたと思います。支援の面で学んだことは、なるべく利用者様が手を動かすこと。生きる力や気持ちが弱まってしまうため、「できないことに対して補助をするという意識を持って」と指導していただきました。一方でその判断は難しく、まだまだ経験が足りないと感じ、今後の学修の指針になりました。
精神保健福祉士の実習は、基幹相談支援センターで12日間。精神障害のある利用者様を対象に、就労支援をはじめ、会話や遊びを通じてコミュニケーションを取りました。利用者様によっては調子に波があり、サポートが上手くいかないときもありました。その時「利用者様のせいにしてはいけない。調子が悪かったという言い訳はせず、支援の仕方を見直して次に活かす」という、指導員の言葉が心に深く刺さりました。さまざまな実習経験から、この仕事は経験値がものを言う仕事だと感じました。4年次前期に、もう一度精神保健福祉士の病院実習が12日間あるため、接し方から考え方、支援の方法など、さまざまなことを吸収して夢に向かって知識を蓄えたいです。
地域が抱える課題に挑み、現場を知る
- 地域が抱える課題に挑み、現場を知る
社会福祉専攻の学生が、長久手市のまちづくり協議会と協働して地域課題の解決のために活動。地域の子育てグループに参加し、子ども向けイベントの企画運営に携わりました。学生は4つの企画を考案し、小学校の学級旗の作成や夏祭りの射的ブースの運営などを担当。子育てグループが実施している定例会にも参加するなど、地域活性化や子どもとの接し方について実践的に学びました。

先輩から聞く学科(専攻)のこと在学生・卒業生の先輩が、学びのことを教えてくれます。詳しく読む
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社会福祉士のめざす学びの中で自分自身と向き合い、成長することができた。
在学生
内野 愛理さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 4年
(愛知県立豊田高等学校)
国家資格である社会福祉士をめざして本専攻へ入学。現場経験の豊富な先生方のご指導のもと、福祉に関するさまざまな分野を学修し、興味ある領域の学びをさらに深めています。
3年次の『ソーシャルワーク実習』では、医療機関での実習を経験。社会福祉士の方が、医療スタッフや福祉事業者と連携し、患者さんやご家族との信頼関係を築きながら働く姿を見て、患者さんの人生に関わっていくやりがいのある職業だと実感。患者さんやご家族と一緒に歩むことができる社会福祉士をめざしたいという気持ちが強くなりました。
また、学生が主体となってボランティアなど社会貢献活動をおこなう学会活動(学生会活動)にも取り組みました。運営班として関わる中で、それぞれの役割を担うメンバーと連携しイベントを無事に終了できた時は大きな達成感を得ました。
チームで協力し合う大切さや、結果のみを求めるのではなく、その過程から得られる経験も重要であると、授業や実習、学会活動を通して学びました。焦って一つひとつのことを疎かにするのではなく、小さな目標を段階的に定め、一つずつ丁寧に前に進むことを大切にできる人になりたいです。
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相談者だけではなく、周囲の人の気持ちも考えられるソーシャルワーカーになりたい。
卒業生
稲垣 佑香さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 2022年度卒業
(愛知県立豊田高等学校出身)
就職先:愛知県庁3年次から始まったソーシャルワーク実習では、特別支援学級の放課後活動の支援をおこないました。自分の感情をうまく言葉にできない子どもたちとふれあう中で、その子の目線に立って気持ちを汲み取り、行動の意味を考えることの大切さを実感しました。また、子どもたちだけでなくご家族をサポートすることも重要だと気づきました。実習後は、ニュースを見て事件・事故に関わる周囲の人々の気持ちまで考えるようになり、物事を多面的に見られるようになったと感じています。4年間の学びを通して、福祉は子どもや高齢者、障がい者の方のみならず、あらゆる人の困りごとを改善し、より良く暮らすためのものだと気づきました。今の目標は、どのような方からも相談して良かったと思ってもらえるソーシャルワーカーになること。相談者の方の人生や考え方が少しでも良い方へ、自分が関わったことで動いたら嬉しく思います。また、病院や施設、地域の 方々とも連携し、まわりの人からも信頼してもらえる存在になりたいです。
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子どもに関する理解をより深める。
卒業生
犬飼 英里さん
福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻 2021年度卒業
(愛知県立一宮西高等学校 出身)
就職先:社会福祉法人昭徳会 児童養護施設 駒方寮Q1 この学科(専攻)を志望した理由は?
人の役に立つ仕事に就きたいと思い社会福祉士をめざしました。愛知淑徳大学へ入学を決めたのは、社会福祉士の国家資格取得をめざす学生が多く、同じ目標に向かって一緒に学ぶことができると思ったからです。
Q2 印象的だった授業は?
『相談援助演習』です。子どもや高齢者、障がい者などさまざまな福祉分野の事例について少人数体制のロールプレイ形式で、相談援助の方法や技術を学びました。福祉計画を立てる時は、相談者側に寄り添い、地域の特性や利用者のニーズまでふまえる必要があるなど、実際の現場で活きる知識が修得できました。幅広い視野を持って相談援助に臨む大切さに気づけました。
Q3 この学科(専攻)だから挑戦できたことは?
さまざまな福祉分野を学ぶにつれ関心が高まった子ども家庭福祉について、副専攻プログラムを利用して子ども福祉専攻の科目も履修しました。両専攻で学ぶ機会を持ち、子どもを取り巻く法制度から保育、教育、発達など広い知識が得られ、子どもに関する理解をより深められました。学修範囲も広く難しい道のりでしたが、両専攻の先生方が真摯に応え、サポートしてくださったことでやり遂げることができました。
4年間の学び(2023年度実績)
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PICKUP!科目詳しく読む
ソーシャルワーク演習
2年次から始まるソーシャルワーク実習の前に、社会福祉士に求められる支援に関する基礎的な知識と技術を修得します。具体的に援助場面を想定した実技指導などのワークを通し、実践的に学びます。
権利擁護を支える法制度
日本国憲法の基本原理、民法・行政法などの、ソーシャルワークにおいて重要な法律や相談援助活動に必要な法律とその仕組みを学び、権利擁護活動や成年後見制度などが利用できるように理解を深めます。
コミュニティ・アクティブ・ラーニング演習Ⅰ・Ⅱ 実習Ⅰ・Ⅱ
地域づくり・まちづくりについて考え、学び、そして行動できるよう、また、地域の課題を主体的に見つけられる能力を養うことを目標としています。実際に行政や地域と共に、地域の課題解決をめざすプロジェクトを進めていきます。
災害時活動支援論・災害時活動支援演習
災害の歴史や災害ボランティアの活動を通じて、被災者のニーズを考えます。そして災害支援に関する知識や技術を学び、平常時の防災対策および災害時の両面において「自分ができること」を見つけます。
時間割例
2年次後期
精神保健の課題と支援Ⅱ
精神保健の基礎知識をもとに、精神障害者対策、老人性認知症疾患、薬物問題対策などの個別課題について学修します。
福祉行財政と福祉計画
社会福祉における行政の役割を理解すると共に、財源確保がどのようになされているかを考え、福祉計画の意義や目的、留意点について理解を深めます。
資格・免許
取得できる資格・免許
- 社会福祉士(国家試験受験資格)/
- 精神保健福祉士(国家試験受験資格)/
- 社会福祉主事任用資格*/
- 児童指導員任用資格*
*任用資格:採用後、特定の業務に任用される時に必要とされる資格
専攻の学びが役立つ資格など
- 福祉住環境コーディネーター2級/
- 保育士資格(資格試験)
社会福祉士合格率(2022年度)
75.9%(合格者41名/受験者54名) 全国合格率44.2%
【2021年度データ】
57.1%(合格者32名/受験者56名) 全国合格率31.1%
【2020年度データ】
66.2%(合格者45名/受験者68名) 全国合格率29.3%
【2019年度データ】
63.4%(合格者45名/受験者71名) 全国合格率29.3%
精神保健福祉士合格率(2022年度)
100%(合格者5名/受験者5名) 全国合格率71.1%
【2021年度データ】
100%(合格者4名/受験者4名) 全国合格率65.6%
4名が社会福祉士もダブル合格!
【2020年度データ】
100%(合格者4名/受験者4名) 全国合格率64.2%
【2019年度データ】
80.0%(合格者4名/受験者5名) 全国合格率62.1%
4名が社会福祉士もダブル合格!
就職
主な就職実績
- (福)愛知県厚生事業団
- 愛知県庁
- (福)刈谷市社会福祉協議会
- (福)愛知慈恵会 高齢者福祉施設小川の里
- (福)昭徳会
- (福)聖隷福祉事業団
- (福)瀬戸市社会福祉協議会
- トヨタ記念病院
- トヨタ自動車
- トヨタ輸送
- (福)名古屋市社会福祉協議会
- 名古屋市役所
- 名古屋第一赤十字病院 他
ゼミナール(2023年度)
青木 文美 | ゼミ | 絵本をはじめとする子どもの文化 |
井上 知香 | ゼミ | 幼児理解の保育理論と北欧保育 |
岡田 泰枝 | ゼミ | 幼児期の子どもたちの学び |
小野 美和 | ゼミ | 対人コミュニケーションの心理学的理解 |
黒川 文子 | ゼミ | 高齢期の地域生活を考える |
末田 邦子 | ゼミ | 保健・医療におけるソーシャルワーク |
髙城 大 | ゼミ | 子どもの貧困とソーシャルワーク |
瀧 誠 | ゼミ | 障がい者福祉におけるソーシャルワーカーの課題 |
田中 勝 | ゼミ | 違いを認め、つながりを知る、そして社会を耕す |
谷口 純世 | ゼミ | 生活をとおした支援について考える |
中村 弘佳 | ゼミ | 地域福祉の推進における現状と課題 ~地域共生社会を目指して~ |
西 和久 | ゼミ | 人間と社会を科学する社会心理学 |
古川 洋子 | ゼミ | 保育教材の研究と子育て支援 |
学生たちの研究テーマ例
- 障がい児のきょうだいへの抱える心情とニーズについて
- 児童養護施設における自立と自立支援のあり方について
- チャイルドマルトリートメントが人生に及ぼす影響についての考察
- ストレスにおけるユーモアの有効性について
- がん患者の終末期ケアにおけるアドバンス・ケア・プランニングに関わ医療ソーシャルワーカーの役割
- 手話通訳士の成長過程における学習課題ー養成期・成長期・成熟期からの検討ー
- コロナ禍における地域のつながりづくり
- 地域で暮らす高齢者がいつまでもいきいきと暮らせる仕組みづくり