保健管理室
応急手当(AED対応含む)
応急手当
傷の手当
傷(創傷)とは
医学的には皮膚の機械的損傷のことをいい、皮膚・粘膜の離断を伴う開放性損傷と、伴わない化学的物質や物理的刺激による非機械的損傷に分けられます。ここでは開放性損傷について説明します。
1.主な傷(開放性損傷)の種類
種類 | 説明 |
---|---|
切創(切り傷) | 鋭利な刃物による傷。組織の挫滅は少ないが、鋭的に血管が切断されるため出血は多い。異物の混入が少ないため、深く新しい傷の場合、縫合が必要になる。 |
刺創(刺し傷) | 先端の鋭い物体が突き刺さって生じる傷。傷口は狭いが、深いのが特徴。 |
挫創 | 鈍的外力によって生じる皮下組織にまで及ぶ傷。多くは凹凸で不整形。出血は少ないが、周囲の組織も挫滅しているため、損傷した皮膚の治療が必要となる。 |
擦過創(擦り傷) | 比較的鋭利な外力が皮膚と擦れて生じる。擦れた方向に線状にできる、比較的浅い傷。 |
咬創(噛み傷) | 歯牙で咬まれたり、咬みちぎられてできる傷。口腔内は常在菌が存在するため、感染の危険性が高い。医療機関で適切な治療を受ける必要がある。 |
その他 | 裂創・割創など |
主な傷(開放性損傷)の種類についてはPDFファイルにてご覧いただけます。(70KB)
<自宅で手当ができる傷>
・ | 包丁などで切れた、傷口が直線的な浅い切り傷など |
・ | 皮膚の表面の軽い擦り傷など |
<医療機関で治療が必要な傷>
・噛み傷: | 感染する危険性が高い。 | |
・刺し傷 | 深く組織や血管を損傷している危険性がある。 | |
・深い傷 | ||
・裂け傷: | 傷口がギザギザしていて治癒しにくい。 | |
・広い傷: | 皮膚の損傷範囲が広いと感染の危険性が高くなる。 |
2.傷の応急処置
①止血
出血している場合は、清潔なガーゼやハンカチを傷口に直接当て、出血部位の上から圧迫し止血します。傷の中に異物がある場合は、②の洗浄をしてから止血をします。傷が深く動脈まで損傷している時は、速やかに医療機関を受診してください。出血量が多い場合は、救急車を呼びましょう。
②洗浄
水道の流水で(温度はできればぬるま湯で)、傷の中をしっかり洗い流し、汚れや異物を取り除いてください。傷の中に、土砂やガラス片や金属片などの異物が残ると細菌感染を起こしやすくなります。また周囲の皮膚もしっかり洗い、皮膚に常在している細菌を除去してください。
※出血している場合は、洗浄後傷口を圧迫ししっかり止血をします(①止血参照)
しっかり洗浄し汚れや異物が取り除けたら、基本的に消毒は必要ありません。消毒剤の種類によっては皮膚の細胞にダメージを与え、かえって治り難くする場合があります。消毒をする時は、刺激の少ない消毒薬を少量だけ使い、消毒の後は水で洗い流しましょう。
③傷の保護
傷が浅く出血も少ない時は、絆創膏で保護をしましょう。絆創膏では覆えない広さの傷や深い傷、汚れや異物が取れない傷の場合は、医療機関を受診してください。
<絆創膏について>
【絆創膏の貼り方】
傷をぴったりと覆い、傷口が乾燥しないようにはります。傷は乾燥させない方が、痛みはなく、治癒が早く傷跡も目立ちません。乾燥を防ぐ絆創膏として防水タイプやハイドロコロイド素材のものが使われます。
【絆創膏の交換】
絆創膏の一部でも剥がれた時や、水が絆創膏の上から傷口に浸み込んだ時は交換してください(細菌感染を起こす危険があります)。
【交換する時の注意】
① | 絆創膏を剥がし、傷口やその周囲に膿や腫れ、赤みなど感染の兆候がないか確認してください。感染兆候や他異常が認められた時は速やかに医療機関を受診してください。 |
② | 感染の兆候がない場合は、水道水で傷口の滲出液や汚れを洗い流してから新しい絆創膏を貼ってください。 |
※絆創膏を剥がす時、無理に引っ張って周囲の皮膚を傷つけないようにしましょう。
<感染について>
傷口に汚れや異物がある場合や咬み傷・広い傷・裂け傷などの場合は、細菌が入りやすく感染しやすい状態です。細菌感染をおこすと治癒が遅れ、跡が残るだけでなく、場合によっては菌が全身に影響を及ぼす重篤な状態になることもあります。傷の処置の時には、感染を防ぐことが重要になります。
傷口やその周囲が広範囲に赤く腫れ熱感がある時や、膿が出ている時は感染が強く疑われます。必ず医療機関を受診しましょう。
<傷の治癒>
傷口が塞がれば治癒したと考えられます。治癒した直後の皮膚の下は、傷を再発しやすい状態のため注意してください。
3.滲出液(体液)と膿の見分け方
滲出液(体液) | 膿 ※受診が必要 | |
---|---|---|
色 | 透明で薄黄色 | 黄色~緑色 |
形態 | サラサラ | ドロっとしている |
臭い | なし | あり |
出てくる時期 | 傷ができて数時間~1、2時間 | 傷ができて3、4日 |
痛み | なし | ズキズキした痛みが続く |
滲出液(体液)と膿の見分け方についてはPDFファイルにてご覧いただけます。(30KB)
体液(滲出液)の滲出は、皮膚の損傷を修復するときの正常な過程で、傷の治癒に欠かせないものです。滲出してきた体液をむやみに取り除いて乾燥させると、細胞の増殖が妨げられ治癒が遅れます。
膿は細菌感染を起こしていると考えられます。疑わしい場合でも必ず医療機関を受診してください。
やけどの手当
やけどは日常生活でもっとも多いけがの一つです。誰でも一度は経験すると言ってもよいほどよく見られるけがです。
やけどは医学的には熱傷と呼ばれ、高い温度の物質に皮膚や粘膜が一定時間以上接することによって引き起こされる皮膚の損傷のことを言います。
主な原因
高温の液体(最も多い原因) | 熱性固体 | 高温の気体 |
---|---|---|
やかんやポットのお湯 コーヒー お茶 てんぷら油 カップ麺のお湯 |
ストーブ アイロン ホットカーラー等 |
電気炊飯器やポットの熱い水蒸気 ファンヒーターの吹き出し口への接触 |
やけど(火傷)の主な原因についてはPDFファイルにてご覧いただけます。(27KB)
応急処置の方法
冷やす:とにかくすぐに冷やすことです。
水道水の流水で冷やしましょう。
冷やす時間は10~15分、冷やし続けることが重要です。
冷やすことの効果
- やけどの深さが進行するのを防ぐことができます(跡も残りにくくなります)。
- やけどの炎症を抑えます。
- 痛みを和らげます。
※冷やす時の注意
- 衣服を着ている場合は、着たまま流水で冷やします。脱がせる時に、皮膚や水ぶくれが破れることがあるので着たままで冷やしましょう。
- 氷や氷嚢で冷やさないようにしましょう。直接やけどしたところにあてると、皮膚が冷えすぎて凍傷を起こすことがあります。
- やけどが広範囲の場合は冷やし過ぎに気をつけましょう(低温症になる可能性があります)。やけどが広範囲の場合は、救急車を呼びましょう。
※その他の注意
自己判断で薬を塗ったり、アロエや味噌などを塗る民間療法は逆に症状が悪化するので、やめましょう。
熱傷の深さ
深さ | 皮膚の状態 |
---|---|
I 度:浅め | 表皮にとどまる熱傷で、皮膚の発赤と浮腫(むくみ)が生じて、強い痛みを伴い、通常2~3日で自然に治癒し、瘢痕(傷跡)などの後遺症は残りません。 |
II 度:やや深い | 表皮より深い真皮までの熱傷で、水泡(水ぶくれ)が出来るのが特徴。 水疱が破れると感染しやすくなるので、医療機関を受診する必要があります。 |
III 度:深い | 皮下組織まで達します。水泡を形成することはありせん。こげて白あるいは煤で黒くなり、いわゆる羊皮紙様の皮膚となります。知覚神経まで侵されているので痛みはほとんどありません。 ⇒(重症)救急車を呼びましょう。 |
熱傷の深さについてはPDFファイルにてご覧いただけます。(67KB)
※やけどは、深さ以外に範囲が広いと重症になります。広範囲にやけどをした時は、必ず医療機関を受診しましょう。
低温やけど
【原因】
湯たんぽ・カイロ・ホットカーペットなど温度が低い熱源に、長時間接触していたことによっておこります。
【状態】
発赤や水疱形成だけに見えても、深部に深い損傷を負っていることが多いので、皮膚の損傷としては軽くありません。悪化しやすいので注意が必要です。
※凍傷と間違えられることがあるので注意しましょう。
【対応】
低温やけどが疑われる時は自己判断せず早めに必ず受診しましょう。
AEDを用いた応急手当
手順
AEDについて
AEDとは:自動体外式除細動器(Automated External Defibrillatorの頭文字)
自動的に心臓の状態を判断し、心室細動という不整脈を起こしていれば、強い電流で心臓にショックを与えることで、心臓の状態を正常に戻す機能を持っている小型の器械です。
傷病者の心臓のリズムを自動的に調べて、電気ショックが必要かどうかを決定するとともに、どういう操作をすべきかを音声メッセージで指示してくれます。そのため、一般の人でも簡単に安心して取り扱うことができます。
設置AED
設置場所
下表内の施設名リンクをクリックすると各キャンパスのAEDマップに移動します。
キャンパス | 設置場所 |
---|---|
長久手キャンパス | 正門守衛室 |
11号棟5階 | |
体育館アリーナ前 | |
サブアリーナ前 | |
保健管理室前:10号棟2階 | |
北門守衛室 | |
愛知淑徳大学クリニック | |
屋内温水プール | |
12号棟2階(入口付近) | |
研究棟1階 | |
14号棟1階 | |
星が丘キャンパス | 1号館1階 |
3号館入り口 | |
4号館4階:エレベーター前 |
使用方法
器械の電源を入れれば音声が使い方を順に指示してくれるので、誰でもこの器械を使って救命することができます。
全国AED設置場所検索
その他の救護用器具
設置場所
長久手 | 星が丘 | |
---|---|---|
担架等 | 保健管理室 ・簡易担架 緑風館自動販売機コーナー ・ケース付き担架 |
保健管理室 ・簡易担架 ・キャリーマット |
車いす | 正門守衛室 12号棟2階 学生事務室 8号棟2階 10号棟2階(保健管理室内) 北門守衛室 |
1号館1階 保健室前廊下 1号館4階 エレベーター前 2号館6階 正面入口 3号館5階 正面入り口AED横 相和館 学生ラウンジ 4号館4階 器具室内 5号館1階 階段下 |
※EVACチェア (階段避難器具) |
保健管理室 | — |
※EVACチェア:体が不自由な方、歩行が困難な方をエレベーター等が使用できない非常時に高層ビルの上階から階段を使用して、安全、円滑、迅速に建物外へと避難させる事ができます。