保健管理室

感染症

学校感染症について

学校感染症は学校保健安全法関連法令の「学校において予防すべき感染症」のことです。学校は児童生徒等が集団生活を営む場所で、感染症が発生した場合には感染が拡大しやすく、教育活動にも大きな影響が生じることから、感染症の流行を予防することが重要であるとの考え方の下、学校保健安全法関係法令で「学校において予防すべき感染症」の種類、出席停止、臨時休業等について定められています。

学校保健安全法施行規則による、感染症の種類と出席停止基準

病原菌(ウイルスや細菌等)の感染力が非常に強く、集団生活で、容易に感染が拡がり、中には重症化しやすい感染症もあります。

学校感染症に罹った時の対応

◇感染症に罹った人は、「学校感染症対応マニュアル」にあるQRコード(「2024学校感染症(インフルエンザ・新型コロナウイルス等)報告専用フォーム」からお知らせください。
「学校感染症対応マニュアル」はCSダウンロード「保健管理室」内、Teams「Online保健室」に格納してあります。
※4月1日CS配信文からも確認できます。

◇新型コロナウイルスやインフルエンザ、麻しんなどは感染力が非常に強いため、周りで罹患者がいる時や流行時期は、次の基本的感染予防行動を徹底してください。

主な感染症

インフルエンザ

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症で、主な症状としては、急な発熱(38℃以上)、頭痛、関節痛、筋肉痛などに加えて、のどの痛み、鼻汁、咳なども見られます。大多数の人は、1~2週間ほどで治りますが、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、免疫疾患や喘息などの呼吸器疾患のある人は、気管支炎、肺炎などを併発したり、持病の悪化を招き、最悪死に至ることもある怖い病気です。

インフルエンザとかぜの違い
症状 インフルエンザ かぜ
初期症状 悪寒、頭痛 鼻・のどの乾燥感、くしゃみ
主症状 発熱、関節痛 鼻水、鼻詰まり
38~40℃ ないか、もしくは微熱
倦怠感 高度 ほとんどない
のど 発赤 軽度の発赤
鼻水・鼻詰まり 後期より発症 初期より発症
合併症 気管支炎・肺炎など まれ

インフルエンザとかぜの違いについてはPDFファイルにてご覧いただけます。(44KB)

インフルエンザの流行時期

 日本では、12月~3月に流行します。これは、気温の低下と空気の乾燥により、空気中のウイルスが長生きできるためです。また、この時期は、空気が乾燥して、また寒さのため換気不足になりやすく、私たちの鼻・のどの粘膜が弱っていると、ウイルスに感染しやすくなり、感染の蔓延を引き起こしてしまいます。

日常生活で出来る予防方法

日常生活では、以下のような点に注意して予防しましょう!

  1. 1)栄養と休養を十分にとる・・・体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。
  2. 2)人ごみを避ける・・・病原体であるウイルスに近づかないようにしましょう。
  3. 3)適度な温度、湿度を保つ・・・ウイルスは、低温・低湿を好むので、加湿器などで室内を適度な湿度(50~60%)に保ちましょう。
  4. 4)外出後は、うがいと手洗い・・・うがいはのどの乾燥を、手洗いは接触による感染を防ぎます。
  5. 5)マスクを着用する・・・感染を防ぐ目的もありますが、罹患してしまった場合にも周りの人に感染させないために必ず着用しましょう。

 インフルエンザ対策は以下のホームページをご覧ください。

早めに症状をチェック!

 以下のチェック項目を参考に、インフルエンザの疑いがある場合には、早めに医療機関に行きましょう。発症から48時間以内であれば、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬を医師の判断により処方されます。

重要ポイント

チェック ポイント
地域内でのインフルエンザの流行
急激な発症
38℃以上の発熱・悪寒

重要ポイントについてはPDFファイルにてご覧いただけます。(16KB)

要注意ポイント

チェック ポイント
関節痛
頭痛
咳・くしゃみ
のどの炎症

要注意ポイントについてはPDFファイルにてご覧いただけます。(13KB)

インフルエンザにかかったら

 医療機関でインフルエンザの診断をうけた場合は、原則として学校への出校が禁止となります。

流行マップ
麻しん

 一般的には「はしか」と呼ばれています。麻しん患者の咳やくしゃみのしぶき(飛沫)の中に含まれる麻しんウイルスを吸い込むことで、感染が成立します。麻しんは感染力が強く、咳やくしゃみを直接浴びた時はもちろん、ただ空気中に漂っているウイルス粒子を吸い込むだけでも感染します。
 麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。一度感染して発症すると一生免疫が持続します。

症状

 感染してから症状が出るのに約10日かかります。この時期を潜伏期と言います。
 その後に、38℃台の発熱や咳、鼻水といったかぜのような症状や、目やに・眼が赤くなる・体がだるいといった症状が4~5日間続きます。この時期の症状は麻しん特有のものではないため、かぜと診断されることもありますが、感染力が一番強い時期と考えられていますので注意が必要です。
 その後、39℃以上の高熱と発疹が出現し、4~5日高熱が続くためかなり体力を消耗します。
 また、合併症を引き起こす頻度が高い感染症です。特に肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎を発症すると言われています。
 麻しんの治療は、特効薬はないため、対症療法で回復を待つことになります。

日本の状況

 2007年高校・大学を中心とする学校等で麻しんが大流行しました。それは今の10代・20代の人たちの中に、一度も麻しんの予防接種を受けていない人や、一度接種しても十分な免疫が獲得できなかった人が一定の割合でおり、そのような人達の間で麻しんの流行が起きたものと考えられています。また幼少時接種したワクチンが時間の経過とともに免疫が弱まってきている人が、一定数いることも原因と言われています。

対策

 麻しんワクチンの予防接種がもっとも有効です。麻しんの患者さんに接触した場合、3日以内に麻しんワクチンの予防接種をすると発症を予防できる可能性もあります。1回の予防接種では100%免疫を獲得できない場合や、一度獲得しても免疫力(抗体量)が低下してくることもあります。予防接種を2回接種すれば100%免疫が獲得できると考えられています。

リンク
風しん

 風しんウイルスによる急性の発疹性感染症で、一般に「三日はしか」とも呼ばれています。風しん患者の咳やくしゃみのしぶき(飛沫)に含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスに付着した手で口や鼻にふれる(接触)と感染します。一度感染し治癒すると、多くの人は終生免疫を獲得します。
 妊娠初期に風しんにかかると、胎盤を介して胎児に感染することがあります。胎児が感染すると白内障、先天性心疾患、難聴などの症状を持つ、先天性風しん症候群の児が生まれることがあります。

症状

 発熱・発疹・リンパ節腫脹が主な症状です。感染してから2週間~3週間で症状が出ます(潜伏期間)。感染者の中には、明らかな症状が出ない人(不顕性感染)が15%~30%程度いるとされており、そのような人から感染することもあります。
 基本的には予後は良好ですが、関節炎や血小板減少紫斑病、急性脳炎などの合併症を起こすことがあります。

予防

 個人でできる有効な予防方法は、風しんの予防接種(ワクチン接種)を受け免疫を獲得しておくことです。自分自身と家族や周囲の人を風しんから守るために、予防接種を受けましょう。また風しんにかかったか不確かな場合は、医療機関で抗体価検査を受けると、免疫が獲得されているか確認できます。

治療

 風しんに対する特別な治療法はありません。そのため、症状を軽減する対症療法になります。

日本の状況

 2011年にアジアで大規模な流行があり、海外で感染し帰国した後発症し、職場での集団発生が散発的に報告されました。2012年より報告患者数が急増しております。

参考ホームページ