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大学紹介GUIDANCE

違いを共に生きる

学長式辞

2025年度(令和7年度)卒業式 学長式辞

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心から皆さんの門出の日をお祝いいたします。卒業される皆さんはもちろん、これまで卒業生を支えてこられたご家族・ご親族の皆様も、たいへんお喜びのことと存じます。

 本来ならば、この晴れやかな旅立ちの日を、国際会議場の大ホールの式典で、盛大に祝うはずでした。ところが、大会議場は改修工事に入っており、本学卒業生の大勢の規模をゆったりと入れられる適切な施設がただちに見つかりませんでした。

 2020年から国内で新型コロナウィルス感染が広まった時期、皆さんの先輩たちは、それぞれ所属する長久手または星が丘のキャンパスで学科、専攻ごとの卒業式を行いました。4年間授業や教室を共にしてきた者同士が和気藹々と集まった式典は、心温まるものでした。その前例に倣って、所属キャンパスでの学科・専攻別の卒業式を執り行うことになった次第です。

 今日のこの日を迎えられたのは、皆さん自身のたゆまぬ努力の結果であることはもちろん、ご家族の支え、友人との励まし、そして教職員の熱意ある指導の賜物でもあります。ここに改めて、関係するすべての方々に深く感謝を申し上げます。

 今、社会が大きく変化している時代ですね。この中で学び続けてきた経験は、今後どのような道に進まれても、確かな力となるでしょう。これから皆さんが歩む道は、決して平たんではありません。それよりは、不合理なことが多い道でもあります。そのような困難、不合理さに直面したときこそ、大学で培った「考える力」と「違いを共に生きる力」を発揮してください。本学の理念である「違いを共に生きる」を念頭に置き、学びましたよね。

 性、国籍、文化、言葉、価値観、宗教など様々な違いがこの世界には存在します。みなさんが、これから生活していく社会においては、これまでの学校生活では経験しなかった様々な「違い」に出会うことになるでしょう。「違い」が共存する場では、みなさんが積極的に交流し、切磋琢磨しあい、相互に啓発理解しつつ、学び合うことへの期待が込められています。

 「違いを共に生きる」ということは、違いをなくすことではなく、違いを認めるということです。その違いの意味を考え、対話し、共に進もうとする力です。

 英語で、 "We can disagree without being disagreeable" というフレーズがあります。このフレーズは、アメリカの社会でよく使われるものです。アメリカ連邦裁判所の判事によって紹介され、アメリカを代表する新聞である Washington Post の編集長によっても、さらにオバマ元大統領のスピーチでも使われました。日本語で説明すると、敵意や不快感を示すことなく、相手と異なる意見を持つことが可能であるということです。

 これから社会に出るあなた方には、さらに多くの多様性に向き合う機会が多いでしょう。答えが一つでない時代だからこそ、相手を理解しようとする姿勢や、価値観の差を越えて協力することが、未来をつくる原動力になります。

 言い換えれば、違いを共に生きようとする姿勢が幅広い視野を育て、未来を切り開く力となるのです。

 今日、この学び舎を旅立つあなた方は、確かな専門性だけでなく、多様な世界をつなぐ力を手にしています。どうか皆さんが、これから出会う新しい場でも、違いを恐れずに、違いと向き合い、違いと共に歩んでください。その歩みが未来をより豊かにするものと確信しています。ご卒業、本当におめでとうございます。

2026年3月17日

愛知淑徳大学 学長 五島幸一