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本学副学長・島田修三教授が、「若山牧水賞」を受賞。

 2011年2月9日(水)、10日(木)の2日間に渡り、日本を代表する短歌文学賞のひとつである「若山牧水賞」の授賞式と受賞記念講演会が、宮崎県でおこなわれました。この「若山牧水賞」は、宮崎出身の国民的歌人・若山牧水の業績を顕彰し、短歌文学界の発展に貢献することを目的として平成8年に創設して以来、これまで現代歌壇を代表する受賞者を輩出。第15回となる今回の受賞者は、本学副学長であり、歌集『蓬歳断想録(ほうさいだんさうろく)』の著者である島田修三教授と、歌集『王者の道』の著者である川野里子氏のお二人です。島田副学長と川野氏の晴れの舞台に立ち会うために、両日ともに大勢の人が集まり、栄えある「若山牧水賞」受賞を盛大に祝いました。

晴れやかなムードの中で、授賞式・祝賀会が開催されました。

 2月9日(水)、宮崎観光ホテル(宮崎市)にて「第15回若山牧水賞」の授賞式がおこなわれ、若山牧水賞運営委員会委員長(宮崎県知事)河野俊嗣氏から、賞状と記念トロフィーなどが授与。珠玉の作品が収められた島田副学長と川野氏の受賞作に、大きな拍手と賞賛が送られました。
島田副学長は河野知事をはじめ、選考委員、来場者の皆さんに深く謝辞を述べられた後、受賞作に対する思いを語りました。「慌ただしい日々に浮かんでは消えていく、きれぎれの思いをすくいとり言葉を紡ぎました。ほとんど味気のない散文的な日常なのですが、こうして歌に起こして読み返してみると、ほのかに味わいがあるんですよね。二度と戻ることのない50代後半の私の心が記憶された、とても愛着のある歌集になりました」。
授賞式の後には、島田副学長と川野氏の受賞を称え、祝賀会がおこなわれました。全国から集まった多くの皆さんに囲まれ、晴れやかなムードの中で受賞の喜びを分かち合いました。

「牧水と万葉」を演題に、受賞記念講演会が実施されました。

 授賞式の翌日には、会場を日向市東郷地区文化センター(日向市)に移し、受賞者2名による「受賞記念講演会」が開催されました。オープニングを飾ったのは、牧水の母校・日向市立坪谷小学校の児童の皆さんによる、牧水の歌の斉唱。「多摩川の 砂にたんぽぽ 咲くころは われにおもふ ひとのあれかし」といった若山牧水の代表的な歌を、会場に澄み渡るような声で斉唱しました。続いて日向市長・黒木健二氏のあいさつ、受賞者の紹介、受賞者である川野里子氏による講演「近代の空間、牧水の空間」がおこなわれ、いよいよ島田副学長の講演「牧水と万葉」が始まりました。

 島田副学長は、冒頭に「白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」という牧水の短歌と、「鳥じもの 海に浮き居て 沖つ波 騒くを聞けば あまた悲しも」という万葉短歌を例に挙げて、「牧水と万葉の旅の歌は似ている」と指摘。「牧水は万葉集を読み込んでいたが、分析的読解ではなく、ただひたすら読んでいた」とし、いくつかの歌を比較しながら「自然と自分を対比するのではなく、自分も自然の一部であるという情感や発想が万葉短歌と似ている」と分析しました。
そして島田副学長は、「こうした自然との関わり方は、自意識や個人感情を先行させる近代短歌のリアリズムの中では徐々に排除されてきました。そう考えれば牧水の旅の歌や自然の歌というのは、万葉短歌の直系として和歌史、短歌史に位置づけられるのではないでしょうか」と述べて講演を締めくくりました。最後に、島田副学長と川野里子氏のお二人に、日向市より花束が贈られると会場内はあたたかな拍手に包まれました。

歌集『蓬歳断想録(ほうさいだんさうろく)』は、
第1回中日短歌大賞にも選ばれました。

日時: 2011年1月22日(土) 
場所: ルブラ王山(名古屋市)

本学副学長の島田修三教授の著書『蓬歳断想録(ほうさいだんさうろく)』が、第1回中日短歌大賞を受賞しました。
「中日短歌大賞」は、株式会社中日新聞社主催の文学賞で、1年間でもっとも優れた歌集を発見・表彰する目的で設けられた賞です。
1月22日(土)、ルブラ王山にて授賞式と懇親会がおこなわれ、島田副学長の受賞に大きな拍手が贈られました。